臨床工学技士は、一日どんな仕事をしている?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2025年度
公益社団法人 日本臨床工学技士会

「医療機器のスペシャリスト」として働く臨床工学技士は病院でどんな仕事をしているのでしょう。日本臨床工学技士会に教えてもらいました。

  • 臨床工学技士の仕事
  • 資格がいる仕事
  • 医療に関する仕事

病院のいろんな現場で、高度な医療機器の操作や点検・管理をしています。

臨床工学技士は、精密で高度な医療機器を安全に操作する、「医療機器のスペシャリスト」です。臨床工学技士がどのような仕事をしているのか、一日の仕事の一部を紹介します。

臨床工学技士の仕事を一緒にのぞいてみよう。

ミナ

臨床工学技士のとある一日のお仕事

8:00

手術室での仕事

手術をする外科医や麻酔科医、器械出しや外回りの看護師と連携しながら、手術をサポートします。

手術室での仕事

手術で使う、モニターや麻酔器、電気メス、内視鏡装置など、多くの医療機器が正しく動くか、事前に点検を行っています。問題があれば、調整や別の機器を用意します。

10:00

透析室での仕事

腎臓の代わりをする血液浄化装置(透析監視装置)の操作や点検管理をします。また、看護師と一緒に患者の体調チェックを行ったあと、患者の血管に針を刺して治療を始めます。

医師、看護師、栄養士と連携しながら、より良い治療に努めます。

透析室での仕事
12:00

お昼休み

お昼休み

お弁当や職員用の食堂でお昼ご飯!
休憩時間を過ごします。

シープリン
13:00

集中治療室での仕事

呼吸や心臓など生命を維持するための機能がとても低下している患者を、24時間態勢で治療する場所が集中治療室です。そこで使う高度な医療機器の管理や、医師、看護師、薬剤師とチーム医療の一員として治療に関わります。

人工呼吸器の設定が、医師の指示通りか、患者の状態に変化はあるか確認します。

集中治療室での仕事
15:00

機器の保守点検

病院にある医療機器の、日常点検や定期点検をします。また、医療スタッフから点検要請のあった機械の保守・点検も行います。

いつでも安心・安全に医療機器が使えるよう、メンテナンスが欠かせません。

機器の保守点検
16:30

終業

お疲れ様でした!
早く帰れたので、帰りに同僚とショッピング。

シープリン

一日の中でいろんな仕事をしているんだな!

ジュン

チーム医療の一員として勉強会を行う

医療の技術が進むにつれ、新しく高度な医療機器が次々登場します。医療機器を正しく、安全に使えるように、医師や看護師と勉強会を開き、操作方法や管理方法を指導することも、臨床工学技士の大事な仕事です。

チーム医療の一員として勉強会を行う

医療機器をまとめて管理

使い終わった機器は、臨床工学技士の部屋に集められ、安全に使えるよう点検したあと、再び貸し出されます。
どこで、何が、どのくらい使われているのかのデータ管理もします。

大切な医療機器を扱う、「生命維持管理装置の専門家」

答えてくれた人

公益社団法人 日本臨床工学技士会
副理事長 大塚 紹さん

臨床工学技士が病院でどんな仕事をしているか、少しは分かってくれたかな? 私たちは病院で、手術室で機器の準備をしたり、透析室で治療のサポートをしたり、集中治療室で大切な機器を見守ったり、「生命維持管理装置の専門家」「いのちを支えるエンジニア」としてチーム医療の一員を担っています。
私たちがいることで患者さんが安心して治療に臨み、一日も早く笑顔を取り戻せるよう、スタッフ一丸となってサポートしています。もし病院で臨床工学技士を見かけたら、ぜひ温かいエールを送ってくれるとうれしいな。

医療機器を操り、治療をサポートしています!

答えてくれた人