
メガネは視力の弱い人には欠かせないものだけど、視力を補正するレンズってどうやって作っているんだろう? メガネレンズの原料を作っている三菱ガス化学にいろいろと聞いてみたよ。
- 技術開発の仕事
- 化学に関する仕事
- 「安全・安心」に関わる仕事
ホント。
メガネのレンズはほとんどがプラスチック製なんだ。
レンズと聞くと虫メガネを連想してガラス製のイメージがありますが、実は日本のメガネレンズはほとんどがプラスチック製です。メガネ屋さんに行くとフレーム選びに気が向きがちです。でも視力の補正では、レンズこそが重要な役割を果たしています。何でできているのか、どんな違いがあるのか、レンズのことを知ってみましょう。

圧倒的にプラスチックのレンズが使われているのじゃ。

レンズの素材によるメリットとデメリット
プラスチックレンズ

軽い、割れにくい、色の染色がしやすい

キズがつきやすい、熱に弱い
ガラスレンズ

キズに強い、にじみが少ない

重い、割れやすい、加工や染色に制限がある
プラスチックレンズができるまでを見てみよう

モノマー
プラスチックレンズの原料になるモノマーは、はじめは液体です。


調合
触媒(しょくばい)を組み合わせて混合、反応させてプレポリマーという液体を作ります。


注型
プレポリマーをガラスでできている型に注ぎ入れます。


硬化
型に入れたものを専用オーブンで熱をかけて、硬化させます。


レンズ
型から取りだして、研磨(けんま)、切削(せっさく)加工などをへてレンズが完成します。
レンズの厚さを決める屈折率ってなんだろう?
光は空気中を通ってレンズにあたるときに折れ曲がります。この折れ曲がる度合いが屈折率です。この数字が大きくなるほど、屈折率が高いといいます。
メガネレンズでは同じ距離で焦点を合わせる場合、屈折率の低いレンズより高いレンズのほうが厚みを薄くできます。一般にプラスチックレンズでは、1.50〜1.76の屈折率でレンズが用意され、屈折率の高いレンズは、薄型、超薄型と呼ばれています。最も屈折率の高い1.76のレンズは三菱ガス化学のモノマーによって作られています。


高い技術力が超薄型レンズに込められているポン!
環境を考え植物由来の原料で作るバイオマスモノマー
プラスチックレンズの原料であるモノマーは一般に化石燃料由来の製品ですが、三菱ガス化学では植物由来の原料を使ったバイオマスレンズモノマー「EpisleafTM(エピスリーフ)」を開発し、販売を始めました。今後も環境に配慮し、持続可能な社会を目指していきます。

メガネのレンズには単焦点レンズと累進レンズがあるよ!
メガネのレンズには1つの度数(視力を補正するレンズの強さの数値)に対応する単焦点レンズと、1枚のレンズで複数の異なる度数に対応する累進レンズがあります。累進レンズは、レンズの上部では遠くが見やすく、下部では近くが見やすいです。老眼などで手元が見にくい人には、累進レンズを使った遠近両用メガネがおすすめです。
累進レンズ

累進レンズは度数が段階的に変化しているんだね。

世界中の人々の「視生活」をより良くできるように!
三菱ガス化学株式会社 機能化学品事業部門
光学材料事業部 佐嘉田 理恵さん
私は子どものころから科学や実験が大好きで、化学系の研究開発に携わりたい、今までにない製品を開発したい、という夢を抱いていました。三菱ガス化学に入社し、自分が携わった製品を世に送り出せたときは、本当に喜びを感じました。
研究開発職からキャリアをスタートし、モノづくりには多くの人が関わっていることを実感しました。現在は事業部の一員として、開発から販売まで一貫して関わっています。お客様と直接コミュニケーションを取れる立場でもあり、三菱ガス化学とお客様をつなぐ架け橋となれるよう挑戦を続けています。
当社の材料で作られたメガネレンズが、世界中の人々の視生活をより良いものにできるよう、レンズモノマーチーム一丸となって切磋琢磨して取り組んでいきます!
自分の目にあったレンズでメガネを作ってね。
