
動物園に行けばたくさんの動物に会えるけど、その動物たちが地球上からいなくなってしまうかもしれないって本当? 数が少なくなっている動物・絶滅危惧種や飼育のことについて、神戸どうぶつ王国に聞いてみました。
- 動物に関わる仕事
- 地球環境を守る仕事
- 人を楽しませる仕事
絶滅しそうな生き物のことを「絶滅危惧種」って呼ぶよ。
絶滅の危険度によってランク分けされているんだ。
絶滅危惧種って何?
近いうちに絶滅するおそれがあり、IUCN(アイユーシーエヌ:国際的な自然保護団体)が作るレッドリストで「CR」「EN」「VU」に分類された生き物を「絶滅危惧種」と言います。レッドリストとは野生生物1種類ごとに、絶滅危機の度合いをリスト化したものです。
神戸どうぶつ王国では、この絶滅危惧種の動物を見ることができます。また、絶滅危惧種の数を増やすため、繁殖にも力を入れています。

コビトカバやスマトラトラ、レッサーパンダも絶滅危惧種なんだね。

動物園の4つの役割って、なに?
動物園には、下のような4つの大切な役割があります。なかでも「種の保存」は、この地上から動物たちが消えてしまわないためにも重要です。下にあるイラスト図解で、ハシビロコウの繁殖の取り組みを見てみましょう。
レクリエーション

園内で開催しているイベント
「カバカバトーク」
教育・環境教育

小学校への出張授業
調査・研究

ビデオ撮影した動物の行動調査
種の保存

コツメカワウソの赤ちゃん
ハシビロコウ繁殖の取り組み

絶滅危惧種を守れ!
「ハシビロコウ生態園 Big bill(ビッグビル)」
動物園は動物を飼育してお客さんに見せるだけではなく、絶滅危惧種などの動物を繁殖させて数を増やす取り組みもしています。動かない鳥として有名なハシビロコウは、絶滅危惧種(VU)ですが、繁殖がとても難しく、動物園での繁殖は世界でも2例しか成功していません。
神戸どうぶつ王国にある、国内最大級の広さの「ハシビロコウ生態園 Big bill」は、アフリカの湿地を再現した展示場で、人工降雨装置で雨期と乾期を作り出すなど、実際にハシビロコウが生息している環境を再現。展示しつつ、もともとの生態を保ち、繁殖の手助けをしています。同園にはハシビロコウ以外にも、繁殖に挑戦中の動物がたくさんいます。


巣を作りやすいよう巣材を用意しています
エリア内にいくつか巣を作製し鳥が選べるようにしています

季節に合わせて雨が降る回数が変わります
魚がいます。たまに食べることも

道も自然と同じで、まっすぐではなく、くねくね曲がっています
フンに含まれるホルモンを検査して繁殖のタイミングを調査しています
飼育員さんの仕事
動物のお世話のほかにも大事な仕事がたくさん。通常時やイベントの時にも常に、動物に異常がないか、お客さんに危険がないか気を配っています。

エサを作る

エサをあげる

掃除をする

イベント

健康チェック
飼育員さんのお仕事ってたくさんあるんだね!

動物たちを見て好きになってもらいたい!
神戸どうぶつ王国
飼育スタッフ
飼育員の基本の仕事は3つの「じ」=①掃除(そうじ)②調餌(ちょうじ)③給餌(きゅうじ)と言われます。こまめな掃除はもちろん、動物ごとに異なる食べ物や食べ方に合わせてエサを準備し、年齢・健康状態・季節によっても種類や量を変えます。エサを与えるときも、すぐに食べてしまわないように、隠したり吊るしたりとさまざまな工夫をします。その他にも動物の行動を観察・記録し、イベントでお客様に動物の魅力を伝えることも大切な役割です。
また、絶滅危惧種の動物たちを守る活動も大切です。繁殖に取り組んだり、保護に役立つデータを集めたりしています。「動物を守る」と聞くと難しそうですが、動物園に行って観察する、誰かと話す、環境について考えるなど、身近な行動が保全につながります。まずは動物園に行って実際に動物を見て、好きになってもらえるとうれしいです!
動物たちに会いに神戸どうぶつ王国にも来てくださいね!
