
ブライダルヘアメイクアーティスト
結婚式に招待されて、美しく着飾った新婦さんに見とれてしまったことはないかな。結婚式は、人生の中でも特別なイベント。その大切な日に新郎新婦のヘアメイクを担当するのが、ブライダルヘアメイクアーティストだ。写真は披露宴会場の控室(撮影地 岡山県倉敷市)で新婦さんにメイクをしている様子。一般的なヘアメイクとどう違うのか、新婦さんの場合を中心に聞いてみたよ。(写真提供/株式会社レック ブライダルFeel 事業本部)
花嫁の魅力をヘアメイクで引き出し、「最高の一日」を演出
ブライダルヘアメイクアーティストが働く場所は、結婚式場、ホテル、ブライダルサロンなどさまざまです。近年は、式は挙げずにドレスやタキシードを着て写真を撮る「フォトウェディング」を選ぶ人が増え、撮影スタジオや思い出の場所など、さまざまな場所へ足を運びます。
主な仕事内容は、「結婚式の事前準備」「写真撮影用のヘアメイク」「結婚式当日のヘアメイク」に大きく分かれます。

ドレスのヘアスタイルで定番なのは、耳の下あたり低めの位置に、後ろで一つにまとめたシニヨン(お団子)。複雑に作り込むより、シンプルなスタイルが近年は好まれている(撮影地=兵庫県神戸市)
事前準備では新婦が抱いているイメージを聞き取り、具体的なコーディネートを提案。ドレス選びのサポート、衣装のフィッティング(衣装合わせ)、リハーサルメイクなども行います。結婚式当日は慌ただしいので、別の日に写真撮影をすることも。その際のヘアメイクや撮影のサポートもしています。
そして結婚式当日はドレスや着物の着付けを手伝い、ヘアメイクを施します。そのほか、ご両親の着付けにも目配りし、新婦のドレスの裾(すそ)を持って移動のサポートをすることも大切な仕事です。
式や披露宴では、新婦が汗をかいたり、感動で泣いたりすることもあるので、水に強いメイクアイテムを使用し、崩れにくいメイクを重視。それでも崩れてしまったときに備えて、綿棒やポケットティッシュなどを入れた「アテンドバッグ」と呼ばれる大きいバッグを携帯しています。

和装の着付けも重要な仕事。着付けにはさまざまな流派があり、使う道具や小物も違うので、流派ごとの技術や知識を身につけるための勉強は欠かせない(撮影地=兵庫県神戸市)
ドレスのメイクでは、顔立ちがハッキリ映えるように、数種類のファンデーションを薄く丁寧に塗り重ねてベースメイクを作り込むことがポイントです。さらに、チークやリップは明るい色をのせ、ふんわりとした柔らかさが引き立つ工夫などをしています。
一方、厚みのある生地に豪華な刺繍や金銀色の柄が施された着物は重厚感があるので、それにふさわしいメイクに。眉毛やチークなどに少し濃い色や発色の良い色をのせて、顔のパーツを際立たせます。

メイクボックスには、ブラシ約30本、リップ約30個、アイシャドウ15種類といったメイク道具がギッシリ詰まっている。また、ヘアセット用のヘアアイロンは3種類常備し、スタイリング剤やスプレー、ワックスも必需品。道具の重さは約18㎏に!(撮影地=兵庫県神戸市)
特別な日のために新婦がイメージしたヘアメイクをできるだけ再現するのが、この仕事の難しいところ。スキルやコミュニケーション力が、問われるポイントでもあります。顔の輪郭、肌や髪の質感、本人の持つ雰囲気などを考慮し、イメージ通りに行かないと判断した場合でも、あらゆる提案をし、新婦さん本人が納得できる仕上がりを実現。また、当日は新婦も緊張しているため、会話を通じてリラックスしてもらうことで、メイク後の表情をより輝かせます。
家族のような気持ちで寄り添い、そばでサポートするブライダルヘアメイクアーティスト。人生の節目となる大切な一日を任された責任があるからこそ、「ありがとう」の言葉の重みと喜びは計り知れません。
どうしたらブライダルヘアメイクアーティストになれるの?
美容の専門学校で、ヘアメイクの知識や技術を学びます。国家資格である美容師免許を取得すると仕事に有利です。結婚式場やホテル、ブライダルサロン、美容院、ヘアメイク事務所などに就職するほか、キャリアを積んで独立もできます。