黒電話からスマートフォンへどうしてこんなに電話が進歩したの?

おしごと年鑑 社会の土台を支えるお仕事 2025年度
日本弁理士会

新しい技術やアイデアを守り、製品になるまで、そして製品になった後も開発者を支えてくれる弁理士。そんな弁理士がどのような役割を果たしているか、技術やアイデアはどのように守られるのか、日本弁理士会に教えてもらいました。

  • 権利を守る仕事
  • 大事な書類づくりの仕事
  • 資格がいる仕事

開発者の工夫によって電話は進歩してきたんだけど、弁理士がその開発者を支え、新技術を守り続けてきたからなんだ。

1970年の大阪万博から55年の時を経た
EXPO(エキスポ) 2025 大阪・関西万博

約半世紀で電話はこんなに大きく変わった!

黒電話からスマートフォンへ電話はどのように進歩してきたのだろうか。電話の進歩を支えた「知的財産」を弁理士の役割とともに見ていこう。

新しいアイデアを形にする過程での、開発者の苦労は計り知れない。苦労の末に生み出された技術を守る権利が「知的財産権」だ。開発者と一緒に、「知的財産権」の保護をするのが「弁理士」なんだ。

弁理士

昭和

(1926年12月25日~1989年1月7日)

スマートフォンの原型

1970年 大阪万博

注目の展示は「未来の電話」

日本電信電話公社(現NTT:エヌティーティー)は未来の電話としてワイヤレステレホンを展示。全国どこにでも電話ができた。

NTT技術史料館

家の固定された場所で電話をする「黒電話」

今から55年前は昭和時代。一般家庭で使われた黒電話は、指でダイヤルを順に回して番号を入力していた。

黒電話

移動中の通話を実現。ショルダーバッグ型携帯電話「ショルダーホン®

商標権:登録番号3030303

1979年にサービスが開始された移動式携帯電話は自動車の中で使えるものだったが、85年に登場した「ショルダーホン®」では自動車の外からでも通話が可能になった。

ショルダーホン

当時、商標権、意匠権(いしょうけん)を取得

ショルダーホン

意匠権:登録番号667984

「知的財産権」の特許(発明)、意匠(デザイン)、商標(ネーミング)など、弁理士は最適な権利の範囲を検討し、その内容を文章と図面で説明して特許庁に出願する。この権利に守られることで、だれかにマネされることなく安心して商品を販売できるんだ!

弁理士

平成

(1989年1月8日~2019年4月30日)

携帯電話、PHS(ピーエイチエス)の登場 一般の人も使用可能に!

携帯電話は小型化・軽量化しただけでなく、カメラ機能も追加され、写真やメールも送れるようになった。

携帯電話、PHS(ピーエイチエス)

パソコンのような携帯電話スマートフォンが登場!

スマートフォン

スマートフォン

インターネットが広がって、動画やSNS(エスエヌエス)などの機能も満載。

はっぴょん

商標権を活用

「iPhone(アイフォーン)」は、アメリカのアップル社のスマートフォンです。日本ではすでにアイホン株式会社が「AIPHONE(アイホン)」や「アイホン」の商標権を取得していたため、アップル社はライセンス料を支払って、 「iPhone」の名称を独占的に使用していると考えられます。

スマートウォッチ

スマートフォンと連携し、メール通知や音楽再生コントロールなど、さまざまな機能を備えた腕時計も登場。

意匠権を取得

AppleWatch

登録番号 1755003

意匠権だけでなく、特許(通信技術等)の取得など、いろいろな権利を組み合わせて技術を広く守っています。どんな権利を組み合わせると効果的かは弁理士が知っています。

弁理士

電話の進歩と「知的財産権」関わりを知ろう

特許権

みんなが新しく考え出したアイデア(発明)を守ります。

〈電話の場合〉通信の高速化、携帯電話の通信方式に関する発明など

世界初の電話機の特許

アメリカ特許第174,465号

アメリカ特許第174,465号

グラハム・ベル(アメリカ)は電話機を発明し、 1876年に特許権を取得しました。彼のこの発明以来、通信技術にはたくさんの特許が使われています。

商標権

商品やサービスにつける「マーク」や「ネーミング」を守ります。

〈電話の場合〉製品などに表示するオリジナルのマークや商品名など

意匠権

車や家電製品など、さまざまな「もの」のデザイン(形、模様、色)を守ります。

〈電話の場合〉美しくて使いやすい携帯電話やスマートフォンのデザインなど

弁理士

令和

(2019年5月1日~)

未来の電話(通信技術)
どうなっているだろう?

みんなで新しい電話を考えてみよう

新しいアイデアを思いついたら
弁理士に相談だ!

弁理士

未来をつくる新技術をどう守るか、いっしょに考えてみよう!

答えてくれた人

日本弁理士会 会長 北村 修一郎さん

日本弁理士会は、2025年10月3日から10日まで、万博メッセ会場のWASSE(ワッセ)で、特許庁と協力してイベントを行います。このイベントでは、未来をつくる新技術を体験でき、知的財産権の内容や弁理士の仕事を学べるゲームも用意しています。1日当たり4種類の新しい技術を実際に体験することで、今までにないビジネスのアイデアを思いつくかもしれません。そのアイデアをゲームで学んだ知的財産権でどう守るか考えたり、その手助けをする弁理士の仕事について深く知れたりするイベントです。ぜひ、ご来場ください。

万博会場でお待ちしています!

答えてくれた人

弁理士については、日本弁理士会「まなぼう!弁理士キッズ」のページでも
詳しく説明しています