なぜ電気は切れることがあるの? 電気を安全に使える秘密って?

おしごと年鑑 社会の土台を支えるお仕事 2025年度
日東工業株式会社

家で急に電気が切れたことはないかな? 電気を同時にたくさん使った時に起きる現象なんだけど、なんでブレーカーが落ちるのか? そもそもブレーカーの役割ってなに? 日東工業に聞きました。

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ブレーカーはホーム分電盤のなかに入っていて、電気を安全に使えるように見守っているよ。

電気を安全で使いやすくするホーム分電盤とブレーカーの役割とは

電線から送られてくる電気を、安全に使いやすく照明器具やコンセントなどに分けるのが、ホーム分電盤です。このなかにブレーカーが入っています。電気の使い過ぎ(過電流)、ショート(短絡)による火事や、電気のもれ(漏電)で感電しないように見守り、電気の流れを自動で止めるのが役目です。

ホーム分電盤とブレーカーの役割
ホーム分電盤・主幹ブレーカー(漏電ブレーカー)・分岐ブレーカー(サーキットブレーカー)

ホーム分電盤

ブレーカーが入っています。家ではプラスチック製が、学校やお店では鉄製が使われています。

主幹ブレーカー(漏電ブレーカー)

主幹ブレーカー(漏電ブレーカー)

家全体での電気の使い過ぎ(過電流)や、電気のもれ(漏電)を見守っています。

分岐ブレーカー(サーキットブレーカー)

分岐ブレーカー(サーキットブレーカー)

家の各部屋の照明やコンセントにつながる電線を守っています。電気の使用量が分岐ブレーカーの容量を超えると、自動で切れる仕組みです。

ブレーカーにも種類があるんじゃな!

ドングリーン

歴史あるお城や建造物を電気火災から守る!

日本には、国宝や重要文化財、世界遺産など、たくさんの歴史的な建物が残されています。建物火災で割合が増えているのが、電気火災です。貴重な建造物や文化財を焼失させないために、電気火災を未然に防ぐ取り組みが各地で進んでいます。

国宝の松本城天守

国宝の松本城天守もしっかり守られているんだ!

ミナト

電気火災の原因❶

大地震での火災の約6割電気が原因!

大地震で発生した火災の約6割が、電気によるものといわれています。地震直後の火災だけでなく、停電から復旧した際の「復電火災」も危険。これは倒れた電気製品や破損した電源コードなどに再び電気が通って起きる火災のことです。

電気火災の原因

感震ブレーカー

感震ブレーカー

地震発生時に家にいなかったりして、ブレーカーを落とす余裕がない場合もあります。そんな時にも「感震ブレーカー」なら安心。大きな揺れを感知したら、電気を自動的に止めてくれます。

電気火災の原因❷

火災の原因の約4割電気火災!

電気火災で特に多いのが「火花が原因の火災」です。電源プラグとコンセントとの隙間にたまった埃に湿気が加わることで発火する「トラッキング」をはじめ、ショート(短絡)や電気のもれ(漏電)、断線なども火花の原因になります。

火災の原因の約4割が電気火災

放電検出ユニット

放電検出ユニット

コンセントやコード、壁のなかの配線など、目に見えない場所で発生した火花放電を検出。ブレーカーを自動的に遮断し、電気火災を防ぐ装置です。

電気火災から私たちの暮らしを守っています!

答えてくれた人

日東工業株式会社
機器開発部 井手虹介さん(左)
電子機器開発部 伊藤宏泰さん

阪神・淡路大震災や東日本大震災において発生した火災の過半数は電気が原因でした。「大地震時の電気火災をなくしたい!」との思いから、揺れを検出する感震リレーとブレーカーを一体化した感震ブレーカーを開発しました(井手さん)。
沖縄の首里城の火災は、電気系統のトラブルが原因という説も。「電気火災の悲劇を繰り返したくない!」との思いから、日本初の技術がつまった放電検出ユニットを開発。壁のなかの配線など、見えにくい場所でも電気火災につながる火花を検出できます(伊藤さん)。

日東工業は、電気を安全に使うための大切な製品を作っています。

答えてくれた人

日東工業のイメージキャラクター「ソーライオン」と一緒に!