クジラの数はどうやって調べているの?

おしごと年鑑 「知る」「学ぶ」「楽しむ」をかなえるお仕事
一般財団法人日本鯨類研究所

地球上のいろいろな海にいるクジラの数は、どうやって調べているのでしょう? 日本鯨類研究所に、クジラの数の調べ方を教えてもらったよ。

船の上から、調査員たちが双眼鏡を使って調べているよ。

クジラの調査は、こんな風に行われている

クジラの調査は、調査船でクジラのいる海域まで行って行います。   調査船の一番高い所(トップマスト)には、観察台があります。調査員は、そこに立ち、双眼鏡を使ってクジラを探し、数の調査などを行っています。

クジラの調査船

クジラの調査船

大小の船団でチームが組まれている

1 目視調査で数を調べる!

トップマストでクジラを探す調査員

トップマストでクジラを探す調査員

クジラを探す

毎日12時間、交代で船の上から海を眺め、クジラを探す

クジラは、普段は水中を泳いでいますが、たまに水面に頭を出して呼吸をします(「噴気」とよばれる)。調査員は、噴気を見つけてクジラの種類と数を確認します。

セミクジラの噴気

セミクジラの噴気

二つに分かれているのが特徴

ザトウクジラの噴気

ザトウクジラの噴気

一つの噴気が特徴

マッコウクジラの噴気

マッコウクジラの噴気

噴気が前に傾いているのが特徴

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クジラは調査員の目で数えられているのね

2 DNA検査で生態調査も行う!

生態調査
珍しいクジラ

珍しいクジラを発見したら、浮きのついたダーツ(弾)をクジラに当てて、皮膚サンプル(バイオプシーサンプル)をとってDNA検査を行います。この検査で、どこからきたのか、どの系統のクジラなのかなどがわかります。

矢印
ダーツ

浮きの付いたダーツ長さ約30cm

矢印
バイオプシーサンプル

ダーツから取り出された、バイオプシーサンプル

新種のクジラはいるの?

日本の近海では、40種類のクジラが発見されています。世界中では、その倍以上のクジラの種類がわかっています。   最近は、いろいろな技術の進歩によって、クジラを調査するための道具の性能がアップしています。それにともない、今まで確認することが難しかった場所や環境での調査も進んでいます。近い将来、新種のクジラが発見される可能性も期待されています。

海の生態系を守る!

海の中に生息する生き物は、わたしたちにとってどれも貴重な資源です。海の生態系は、食物連鎖のバランスを保つことで守られます。食物連鎖の頂点にいるクジラは、季節や場所によって異なる、さまざまな海の生き物をエサにしています。そこで、わたしたちの研究所では、クジラの調査を通して海の生態系を解明し、クジラを減らすことなく利用できる状態でいることを目指しています。

クジラ

1 クジラの目

クジラの目

目玉の水晶体から年齢がわかる!

2 耳アカ

耳アカ

耳アカの年輪から年齢がわかる!

3 脂皮の厚み計測

脂皮の厚み計測

脂皮の厚みから栄養状態がわかる!

4 体重計測

体重計測

体長や体重、性別、子どもがいるかなどがわかる!

5 クジラの歯

クジラの歯

歯のあるクジラは、歯に刻まれた年輪から年齢がわかる!

クジラの歯

年輪が刻まれた歯の断面

6 採血

採血

血液に含まれる成分からクジラの健康状態がわかる!

7 胃の内容物を調査

胃の内容物を調査

胃の内容物から食べたエサの種類と量がわかる!

こんな所でクジラの調査・研究を行っています

クジラの調査や研究は、大小の調査船でクジラのいる海域に行って行われています。
調査の方法は、双眼鏡などを使って、目で見て種類や数を調べる方法と、クジラを捕まえて体長や体重を測ったり、体の中の様子を調べたりする方法があります。

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船の上で、クジラの調査・研究を行う仕事です

答えてくれた人

一般財団法人 日本鯨類研究所 調査研究部 松岡耕二さん

みなさんはクジラを見たことがありますか? クジラは日本近海だけではなく、いろいろな海域にいます。中には、一カ所にとどまらず、季節によって長い距離を回遊するものもいます。そのためクジラの調査は、クジラの住む海域まで行って、長い期間をかけて行います。
  例えば南極での調査の場合、1回に約5カ月間、全体で約200人が参加します。私は調査船の団長として、研究者たちみんなが参加して良かったと思えるよう、全体をまとめています。狭い船内での長期間にわたる仕事は、大変な面もありますが、外国研究者との共同生活や、間近でクジラやペンギンなどの生き物を見られるのは、けっこう楽しいですよ。この仕事に興味を持った人は、体力や忍耐力をつけることはもちろんですが、航海家のマゼランや、生物学者のダーウィン、南極探検家白瀬矗中尉などの本を読んでみてください。きっと役に立つと思いますよ。

大人数で、長期間行う仕事は、仲間と仲良くする気持ちが大切です

一般財団法人日本鯨類研究所 調査研究部 松岡耕二さん