客室乗務員(CA) のしごと

2025.10.06 紹介します○○のしごと
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「一歩ふみ出す勇気を持って新しい世界に飛びこみ、価値観や視野を広げてほしい」と話す安野純矢さん=5月、東京都大田区のJAL第2テクニカルセンター
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安野純矢さん

日本航空株式会社(JAL) 客室教育訓練部
業務グループ リードキャビンアテンダント 

乗客に安全で快適な空の旅を

CAは、飛行機に乗る人の安全を守り、到着までさまざまなサービスを行う仕事です。

毎便、同じフライトを担当するCAが集まり、飛行前の打ち合わせをします。

機内に入ったら、酸素マスクなどがすぐ使える状態になっていることや、客室がきれいになっていることなどを細かく確認します。パイロットとも機内で打ち合わせをした後、不審物などがないか、全員で一斉に確認。安全を確認したら、乗客の搭乗開始です。

国内線の場合、15分ほどでこの作業を終えなければなりません。安野さんは「常に時計を見て、分単位で逆算して考えながら、仕事をしています」

搭乗が始まると、座席へ案内したり、手荷物の収納を手伝ったりします。乗客全員がシートベルトをねじれやゆるみなくしめているかなど、くまなく確認。離陸直前は、CAも着席します。この時も客室を見て、乗客の安全を確認しながら、緊急時に、乗客を安全に脱出させる手順を頭の中でふり返っているそう。

飛行中は、食事や飲み物のサービスなどを行います。着陸前も、離陸前と同じように安全確認を実施。到着し乗客を見送った後は、乗客の忘れ物がないかなどを確認し、業務を終えます。

あゆみ

1993年
福井県生まれ
小学校時代
公立校に入学。1年生の時から野球を始め、運動が好きで活発な子だった
中学校時代
私立の中高一貫校に進学。2年生でオーストラリアにホームステイし異文化にふれる楽しさを実感
高校時代
内部進学し、英語の勉強に力を注ぐ。県や全国の英語のスピーチコンテストで入賞。英語を使って世界で活躍したいと思うようになった
大学時代
4年制大学の外国語学部に進学し、中高の英語の教員免許を取得。ゼミの先生が元JAL社員だったことなどから、航空業界に興味を持つ
2016年7月
他の航空会社で、乗客の搭乗案内などを行うグランドスタッフに
2017年11月
JALにCAとして入社
2024年11月~現在
CAの訓練施設の維持管理などを担当
やりがいや苦労

男性CAの「お手本」めざして

「お客さまのために何ができるのかを考えて、緊張感を持って仕事をしています。無事に目的地に着いて、お客さまを見送る時に、笑顔で『ありがとう』と言ってもらえると、すごくすてきな仕事なんだなと思います」

安野さんが就職活動をしていたころ、日本の航空会社の男性CAはとても少なく、選択肢になかったそう。グランドスタッフになって約1年後、「もっとお客さまと長く関わりたい」とCAに。

「『男性CAが増えて、すごくいいことだね』と思ってもらえるよう、男性が増えてほしい」と自身がお手本となることを目指しています。

なるためには?

JALでCAになるためには、専門学校や大学を卒業する必要がありますが、特別な資格は不要です。応募条件も、英語力テストのTOEIC600点以上が望ましいとされているだけです。ただ、仕事で海外に行くことも多いため、英語の勉強を頑張っておくと、仕事に役立ちます。

だれかのために何かしてあげたいという思いがある人や、現状に満足することなく向上心を持って努力し続けられる人が向いていると思います。

必要な道具は?

多くのものを持って歩けないため、小さいサイズを選び、できるだけポケットに収めています。折り紙は、外国人のお客さまにプレゼントすると、とても喜んでくれます。

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おしごとあるある

機内ではお手洗いのことを「ラバトリー」といい、略して「ラバ」と呼んでいます。そのため、日常でも「ラバ行ってくるね」と言ってしまうことがあります。遅れることは「ディレイ」といい、「10分ディレイする」などと使っています。

また、機内での確認作業などで問題ない場合、サムアップ(こぶしをにぎって親指を立てる)をします。普段から親指と人さし指で丸を作るOKサインではなく、サムアップを使ってしまいます。

2025.7.7付 朝日小学生新聞
構成・大井朝加

毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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