
メニューブックを作る人(グラフィックデザイナー、料理カメラマン)
レストランでメニューを開いたとき、「これ、おいしそう!」とワクワクしたことはあるかな? 実はメニューブックには、料理をおいしそうに見せたり、どんな料理なのかをわかりやすく伝えたりする工夫がたくさんつまっているんだ。メニューブックを通してお店の魅力を伝えるのが、グラフィックデザイナーや料理カメラマンの仕事だよ。(写真提供/株式会社いわさき 撮影地はいずれも大阪府大阪市)
お客さんの「食べたい!」という気持ちを引き出すメニュー作り
レストランのメニューブックには、「料理名と価格を伝えること」「売りたいメニューにオーダー(注文)を集めること」「見た目だけではわからない料理・お店の魅力を伝えること」という3つの役割があります。これらを形にするため、ページを作る「グラフィックデザイナー」と、料理の写真を撮影する「料理カメラマン」が協力して制作しています。

お店の要望をもとに、グラフィックデザイナーと、料理カメラマンが協力しながらメニューブックの構成を考える
まずはお店に「こんなメニューブックを作りませんか?」と提案して、お店の要望を聞くところからスタート。「お客さんに、この料理をもっと注文してもらいたい」「年配のお客さんが多いので文字を読みやすくしたい」など、お店によって希望はさまざま。中には、「お客さんからメニューについて何度も聞かれてしまい、説明に時間を取られて困っている。もっとわかりやすくしたい」といった内容もあります。
グラフィックデザイナーは、そうした声を受けながら、メニューブックのデザイン案を考えます。どうしたらおいしそうな写真になってお客さんの「食べたい!」という気持ちを引き出せるか、値段や料理の内容をどんなふうに見せればすぐに理解してもらえるか、といった点を大切にしながら設計していきます。

料理カメラマンが工夫しながら料理を撮影しているところ
デザイン案が決まったら、料理カメラマンがメニューに使う写真を撮影します。角度や光の当て方、背景や周りの小物の選び方などを変えるだけで、料理の見え方は大きく変わるため、カメラマンは細かいところまで気を配ります。
また、料理が一番おいしそうに見える瞬間を演出する工夫もしています。野菜に霧吹きで水をかけてみずみずしく見せたり、食材に少し油を塗ってツヤを出したり。海苔(のり)は時間がたつとしんなりしてしまうため、シャッターを押す直前にのせるのがポイントです。

メニューブックの作り方で、お店の売上が左右されることもある
メニューの写真とお店から提供された原稿(値段や料理の説明など)が揃ったら、デザイン案を元に、グラフィックデザイナーがメニューブックを仕上げます。
「お店が特に売りたいメニューを、文字や写真で目立たせる」「海外からの観光客が多いお店であれば、メニューに英語名を併記する」など、お店の要望や特徴に合わせて、さまざまな工夫をします。また、お客さんと店員さん、両方の目線を想像しながらデザインすること、お店のイメージに合った文字や色を使うことも大事です。
完成したメニューブックは印刷・加工され、お店へ届けられます。お店の人によろこんでもらえたり、お客さんから「おいしそう!」と言ってもらえたりしたときにやりがいを感じるそうです。
どうしたらメニューブックを作る人になれるの?
デザインやカメラの知識・スキルを身につけて食品関連の制作会社やデザイン会社で働く道のほか、フリーランスで活躍する人もいます。「このお店のよさをもっと伝えたい」「料理のおいしさを届けたい」という気持ちを強く持つことも大切です。食べることが好きな人や、いろいろな料理・食材に興味がある人に向いています。