注射をされている子どもと遊んでいるあのひと、何してる?

2020.02.28 あのひと何してる?

チャイルド・ライフ・スペシャリスト

病院で検査や治療を受けるとき、不安でいっぱいになるね。そんなとき、寄り添ってくれるのがチャイルド・ライフ・スペシャリストだ。日本には、47名(2020年1月現在)が大学病院などに1~3名配置されているんだって。アメリカでは、この人たちがいる病院では入院期間が短くなった、鎮痛剤の量が減ったという効果も証明され、小児医療の頼れる存在となっているよ。(写真提供/済生会横浜市東部病院こどもセンター)

検査や治療の「怖い」「痛い」気持ちを少しでも減らして、子どもに寄り添う


病院で医療ケアを受ける子どもや家族の不安を軽くして、「検査や治療はイヤだけど、やってみよう」という気持ちを引き出すのが、チャイルド・ライフ・スペシャリストです。小児病棟を中心に、小児外来や救命病棟、がん相談支援室にも出向いています。対象とするのは、小児~20歳くらいで、生涯付き合う病気を抱える子や、長期入院している子、病院や注射が大嫌いという子が多いです。


子どもは、「どんな病気?」「なぜ治療をするの?」と、理解できずに不安を大きくすることが少なくありません。チャイルド・ライフ・スペシャリストは、図や模型のほか、人形を使ったお医者さんごっこといった遊びの要素を取り入れて、検査や治療の説明をする工夫をしています。また、診察や検査に付き添い、遊びなどを使って子どもに楽しい気持ちを起こさせたり、やってみようと思えることを取り入れます(写真参照)、なぞなぞやしりとりの相手になって気を紛らわすことも。すると、子どもはただ嫌なことをされたと思うだけでなく、自分も病院の人と一緒にがんばれたという気持ちを持てるようになります。


そのほか、カンファレンスでは自分の視点や意向を医療スタッフへ積極的に伝え、互いの役割を理解し合うことも重要な仕事です。小児医療に関する勉強を欠かさず、論文を読む・書く、学会で発表することもあります。


子どもは、家族や医師に気持ちを言えないことがよくあります。安心して何でも言ってもらえるように、子どもが興味のあることに目を向け、一緒に遊ぶなどしてコミュニケーションを大切にし、両親やきょうだいへのケアも配慮しながら、信頼関係を築いていきます。

どうしたらチャイルド・ライフ・スペシャリストになれるの?


アメリカにあるAssociation of Child Life Professionalsという団体が資格認定をします。北米にあるチャイルド・ライフ専攻のコースまたは指定科目がある大学か大学院で学び、600時間のインターンシップを行い、資格認定試験を受けます。

協力/済生会横浜市東部病院こどもセンター

取材・文/内藤綾子