エスカレーターをもっと安全に使える゛ヒミツ″って?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2025年度
株式会社日立ビルシステム

エスカレーターは、上下の移動を楽にしてくれる乗り物。実は便利なだけでなく、誰もが安全に利用できるための工夫や〝ヒミツ〞もたくさんあるんだって。日立ビルシステムに話を聞いたよ。

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例えば「ラッピング」! 正しい乗り方を教えながら、かわいいイラストで楽しませてくれるよ。

どんなラッピングがあるのかな?

エスカレーターには、利用者にマナーを伝えたり、楽しませたりするためのいろんなラッピングが施されているよ。それぞれの役割をみてみよう。

エスカレーターのラッピング

1

ハンドレール(手すり)

楽しいイラストでハンドレールにつかまるように促して、転倒を防ぐよ。汚れなどを除去して、抗菌・抗ウイルス作用のある「ハンドレールコーティング」を施すことも。衛生的にも安心だね。

ハンドレール(手すり)

2

カバープレート

乗る前に注意を呼びかけ、エスカレーターの運転方向を示したりするよ。

カバープレート

3

欄干パネル

建物やイベントの案内などを載せることも。透明ガラスのままにしておかないことで、盗撮などの防犯目隠しの役割も果たすよ。

欄干パネル

4

ステップ・ライザー

ステップに立ち位置を示すイラストや、ライザー(ステップとステップの間)にマナーを守るためのメッセージを載せたりするよ。

ステップ・ライザー

5

内デッキカバー

じっと見続けていたくなるようなイラストで、歩かず立ち止まって乗るように促すよ。

内デッキカバー
ガラポン

いろんな種類のラッピングがあるポン!

守っているかな?

事故やケガを防ぐエスカレーターに乗る時のマナー

エスカレーターに乗る時のマナー

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ハンドレール(手すり)につかまる

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黄色い線の内側に立つ

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歩かない

左右どちらかのハンドレールにつかまり、歩かないのがエスカレーターのマナー。エスカレーター事故の原因の大半は、マナー違反(下のグラフの乗り方不良)。みんながマナーを守れば、事故やケガを大きく減らせるんだ。埼玉県では2021年10月から、愛知県名古屋市では2023年10月から、エスカレーターに立ち止まって乗るように義務づける条例も施行されたよ。

事故の半分以上がマナー違反が原因!

エスカレーター事故の原因

出典:一般社団法人日本エレベーター協会
「エスカレーターにおける利用者災害の調査報告(第9回)」

さらに安全に使えるようにエスカレーターも日々進化している!

もっと安全・安心に利用できるように、日立ビルシステムはいろんな工夫によってエスカレーターの機能を進化させているよ。

エスカレーターを歩いて利用する人を減らすための進化

歩く人が減らない理由のひとつは「片側乗り」

片側乗り

利用者が左右どちらかに偏って乗ると、片側にスペースが空く。そうすると、空いた側を歩く利用者が出てくるんだ。

矢印

LED(エルイーディー)サインで、
2列で乗るように促すエスカレーターが誕生!

2列で乗る時の立ち位置をLEDで示したり、ステップの段差をLEDで強調して立ち止まって乗るよう促したりするエスカレーターが登場したよ。大阪・関西万博(2025年開催)の会場最寄り駅の夢洲駅に設置されているんだ。

LED(エルイーディー)サインで2列で乗るように促すエスカレーター

緊急停止時の安全確保の進化

異常を検知すると安全装置が作動して緊急停止。
利用者の安全を守るよ

緊急停止

異常を検知すると安全装置が作動して緊急停止するよ。その時の衝撃が、逆に転落や転倒のリスクにつながることもあるんだ。

矢印

ゆるやかに止まる「ソフトストップ機能」が、
一歩先の安全を届けるよ

ソフトストップ機能

緊急停止の時、ゆるやかに止まって衝撃を抑える「ソフトストップ機能」で、もしもの時の安全性をさらに高めるよ。

便利な乗り物をみんなが安心して使えるように

答えてくれた人

株式会社日立ビルシステム
ブランドコミュニケーション本部広報部 小泉 佳一郎さん

日々、多くの人々を運ぶエスカレーター。いつからか、急いでいる人が歩けるように、片側を空ける習慣が各地で根付いてしまいました。しかし、エスカレーターは本来、立ち止まって乗ることを想定して作られています。
エスカレーターのステップは階段よりも一段一段が高く幅も狭いので、歩くとつまずいたり、他の利用者とぶつかったりする危険があります。「自分は大丈夫」と思っても、歩くことで、障がいなどで左右どちらかのハンドレールしかつかめない人や高齢者などの安全な利用を妨げたり、「怖い」と感じさせたりすることもあるのです。
みんなが安全に安心して移動するために、エスカレータ—は左右どちらかの手すりにつかまり、黄色い線の内側に立って、歩かずに利用してください。

詳しくはウェブサイトをみてね。

答えてくれた人