
マンションや橋など街の建造物の地下部分にあって、重要な役割を果たしているコンクリートパイルとはどんなものでしょう? 日本ヒュームに聞きました。
- パイル製作の仕事
- コンクリートを扱う仕事
- 災害対策の仕事
パイルは「杭(くい)」のこと。街の建造物などの地下に埋め込んで、建造物を支えるための杭だよ。
縁の下の力持ち! 1本で1000tの重さを支える!
コンクリートパイルは地下で建造物を支える基礎杭です。マンションや橋などを建てる前に、地下に埋め込み、その上に建造物を建てます。地表の地盤を掘って、その下の固い地盤までコンクリートパイルを打ち込みます。コンクリートパイル1本で1000tの重さを支えることができます。

地下で見えないから知らない人も多いかもね。


つまりこういうこと

地震の多い日本には絶対に必要!
日本にはそのまま建造物を建てると、沈んでしまう固さの地盤の地域が多くあります。また、日本には地震が多いことからコンクリートパイルが欠かせません。学校、マンション、ショッピングモール、図書館などみんなの生活の場所をはじめ、橋や高速道路などさまざまな建造物の下で都市を支えています。
「遠心力」でパイルはきれいに強く作られる!
工場ではまずパイルの形(円筒形)の鉄筋かごを作ります。それを円筒形の型枠の中に入れて、コンクリートを流し込み、回転させます。遠心力を利用してきれいな強いパイルが作られます。
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鉄筋かごを鋼製の円筒形の型枠の中に配置して、コンクリートを流し込む
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鉄筋かごを入れた型枠を回して、遠心力を利用してコンクリートを締め固める
スペースシャトル打ち上げ時の加速度は3Gといわれるから、その10倍!
すごいGじゃ!
つまりこういうこと
- 1コンクリート は型枠の中で外側に引っ張られて固められる
- 2中心の空洞部分に余計な水分が脱水されていく
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完成したコンクリートパイル
コンクリートパイルの埋め込み方!

オーガー(ドリル)で穴を掘って、そこにパイルを入れていく方法が主流です。
パイルを地面に突き立ててトンカチのように打ち付けていく方法などもあります。
掘る土の量が少なくてすむ 中掘り工法
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オーガーで穴を掘るのと同時に、パイルを押し入れる
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固い地盤に届いたら、根固め液を高圧で噴射
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根固めの球根ができたら、オーガーを引き抜く
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パイルが固定されて完成
中掘り工法は他の工法よりCO2排出量を削減できるんだって!

施工状況がタブレットでわかる!
工事の際、コンクリートパイルが正しい位置に、計画通りの深さで埋め込まれたか確かめる必要があります。杭施工管理システム「Pile-ViMSys(パイルヴィムシス)」は専用タブレットで、杭打ち機から離れた場所で遠隔管理ができ安全。工事もDX(ディーエックス)の時代です。

▲パイルヴィムシスで確認する様子
見えない地下で重たい建物を支える、まさに「縁の下の力持ち」の仕事です!
日本ヒューム株式会社
関東・東北支社 技術工事部長 竹森敬介さん
日本ヒュームは、「ヒューム管」というコンクリートの管を日本で最初に製造した会社で、今年で創業100年になります。「コンクリートパイル」はそのヒューム管の作り方を応用して作られています。地上からは見えないけれど、重たい建物を地震が起こっても倒れないようにしっかり支える、まさに「縁の下の力持ち」なのです。ちなみに、じつはヒューム管も地下から私たちの生活を支えてくれている“隠れたヒーロー”です。このお話は「おしごと年鑑2024」を見てみてね!
私たちは地下の〝隠れたヒーロー〞を作っています。


▲日本最古のヒューム管の記念碑

▲ニッピくん