キャリアアドバイザー のしごと

2025.08.12 紹介します○○のしごと
キャリアアドバイザー山口さんのメイン画像
「転職希望者が強みだと思えることと、企業をマッチさせる仕事です」と語る山口美沙貴さん=2月、東京都港区のパーソルキャリア本社
キャリアアドバイザー山口さんの画像

山口美沙貴さん

パーソルキャリア株式会社   キャリア支援統括部 アシスタントマネジャー

あなたの強み 引き出します

 キャリアアドバイザーは、転職を希望する人の仕事探しの手伝いをしています。例えば、その人に合った仕事や会社を提案し、提出する書類の書き方や、面接での受け答えの仕方などをアドバイスします。また、面接を受けるところから入社までの期間、転職希望者と会社の間に入って、かわりに情報交換やコミュニケーションをします。

キャリアアドバイザーの1日は、転職希望者や会社とのやりとり、面談、メール、電話がほとんどをしめます。担当する人は、年間200人以上にものぼるそうです。

時には、「私に『強み』なんてあるのかな……」といった相談を受けることもあります。

その人が手にしてきた技術や能力は、大事な強みです。一方で、「課題を見つける」「課題を解決する」「ミスなく業務をこなせる」など、人間的な強みも大切です。人間的な面は、本人が強みだと気づいていないことも多いそうです。

「6年間、1千人をこえる転職希望者に会いましたが、強みのない人なんて1人もいないと感じます。自分の強みを、ほかの人の方がよくわかっていることもあります。いろいろな人と語り合って、自分の強みを発見してほしいです」

あゆみ

1996年
千葉県生まれ
小学校時代
習いごとは水泳。途中から、両親のすすめで塾に通い、中学受験しました
中学・高校時代
受験に合格し、千葉県柏市の麗澤中学校へ(高校まで一貫校)。しかし「勉強する意味」がわからず、学びに熱が入らなくなり、放課後は友だちと遊ぶ日々。大学受験に失敗しました。1年間、浪人生活を送る中で、初めて勉強や学ぶことのおもしろさに気づきました
大学時代
中央大学理工学部に進学。①目に見えて人の役に立てると感じられる業種②人生で最も重要なことの一つである「仕事」や「職業」を専門にあつかう会社③自分が成長できる職場、に進みたいと考えるようになりました。就職活動をする中で、その理想に一番合ったパーソルキャリアに入社しました
2019年~現在
キャリアアドバイザーに。2023年には、前期(4~9月期)における営業成績などが評価され、社内MVP(全国1位)にかがやきました
やりがいや苦労

ぴったりな職場を紹介できた!

たくさんの仕事の中でどれが合うかは、人によってもちがいます。山口さんは、特に二つのポイントで判断しています。

一つは、その人が「やりがい」を感じられるかどうか。具体的には、転職希望者が「強み」を生かせるかどうかを見ます。

もう一つは、その人が求める「条件」に合う職場かどうか、です。条件とは、仕事の内容だけでなく、給料の金額や会社がある場所、休みがどれくらい取れるか、在宅で仕事してもいいか、などをふくみます。

担当した人にぴったりの職場を紹介できた時が、山口さんの最高の喜びです。

必要な道具は?

信念は「自分が幸せでないと、お客さんを満たせない」です。ノートにその時々の気持ちを書いて、自分が「満たされた」と感じた場面をふり返ります。

キャリアアドバイザー山口さんの仕事に必要な道具

思い出のしごと

家の事情でアルバイト生活を送り、正社員で働いたことがない20代の女性がいました。就職活動を始めたのは大学卒業から数年後。ほかの人よりも困難な道のりでしたが、アルバイトで身につけた知識と、ハキハキと話せる性格を強みにして、見事に大手不動産会社に就職しました。「今まで経歴を周りに話せなかった。やっと自信を持って話すことができます。サポートしてくれたおかげです」という感謝の言葉が忘れられません。

おしごとあるある

「就職面接で話す自己PRにコツはありますか?」とよく聞かれます。私は特に、「ストーリー(物語)で話す」ことが大事だと思っています。例えば、何か活動をしてきたなら、何のためにその活動を始めたのか、大変だったことは何か、課題などに対してどんな行動を取って、どんな結果が出たのか――などを語るのです。会社は、その人の価値観や考え方を知りたいと思っています。ストーリーで話すと、それが伝わりやすいです。

2025.4.7付 朝日小学生新聞
構成・正木伸城(ライター)

毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
朝日小学生新聞のホームページはこちら