仕事で大失敗したら「クビ」になっちゃうの?

2019.09.30 おしごとBOOK

しごとについての質問

「もしも仕事で判断を間違えて大失敗をしたらクビ? やめなきゃいけないものなの?」(13歳・男子)

清水克衛(しみずかつよし)さん

書店「読書のすすめ」代表、逆のものさし講主宰、NPO法人読書普及協会顧問。1995年に東京都江戸川区篠崎町で書店「読書のすすめ」を開業。著書に、『非常識な読書のすすめ』(現代書林)、『逆ものさし思考』(エイチエス)など多数。

「失敗したらクビ」の基準について考えてはどうでしょう


『正義の教室 善く生きるための哲学入門』

著者:飲茶

出版社:ダイヤモンド社

価格:1500円(税別)

仕事で失敗したらクビになっちゃう会社と、そうではない会社があると思いますよ。それと失敗の大小によるかもしれません。いろんな選択肢があると思いますが、「失敗したのだから絶対クビ!」と言われたときの「絶対」とは何でしょう? その基準は何でしょう?
『正義の教室』は「正義」とは何かについて書かれた物語です。
消防士のお父さんがいます。仕事が休みの日に家にいると、娘さんが通う幼稚園から「具合が悪くて保健室で寝ていますので、迎えに来てください」と連絡があります。迎えに行くと、幼稚園がなんと火事で燃えています。さっそく園内に救助に入りますが、通路を右に行けば保健室があって娘さんがいます。左に行くと園児30名がいる部屋です。お父さんは迷います。どちらを先に救助するべきか? 休みの日ですから消防士でなければ娘さんのいる右に行くでしょう。しかし職責を考えれば左に行くのが正解なのかもしれません。どちらかが失敗となるかもしれません。君ならどうする?

失敗や不便は知恵の宝庫ですよ


『不便益のススメ 新しいデザインを求めて』

著者:川上浩司

出版社:岩波書店

価格:800円(税別)

「あの失敗があったから今の自分がある」という言葉は、本を読んでいるとあちこちに登場します。そう、失敗があったからこそ成長できたという意味ですね。
サザエさんやクレヨンしんちゃんも必ず失敗します。もし彼らがまったく失敗しなかったら、誰もこれらのドラマを見ないですよね。私たちも気をつけなくてはいけないのは、失敗したからといって、落ち込んでいつまでも背中を丸くしてしまう態度です。失敗はもう終わったことなのですから、また前を向いて歩けばいいだけです。
ここに「不便益」という考え方があります。私たちは便利こそがいいことであると信じてきました。でも、本当にそうでしょうか? 「不便=失敗」と考えてもいいでしょう。不便なことによって、私たちは「だったらこうしよう」と、主体的に物事を考えることができるようになります。『不便益のススメ』にはその事例がたくさん載っています。
失敗が元でクビになったっていいじゃないですか! 失敗にはたくさんの知恵が潜んでいるのですから。