漁船から引き上げられたマグロを仕分けるあの人、何してる?

2019.08.29 あのひと何してる?

マグロの水揚げ現場作業者

日本のみならず、世界中に人気の寿司ネタといえばマグロ。写真は冷凍マグロの水揚げ量日本一を誇る静岡県清水漁港。約1年ぶりに帰ってきたマグロ漁船から冷凍マグロを運び出し、倉庫に移すため、マグロ専門商社の水揚げ現場作業者たちがマグロを一瞬で選別してトラックに積み込んでいるよ。食卓に上るまで、いろいろな作業があるんだね。(写真提供/八洲水産株式会社)

おいしい天然マグロを多くの人へ届けるための冷凍技術と目利き


ここで水揚げされるマグロは、遠洋延縄(えんようはえなわ)という漁法を使ってマグロ漁船が世界の海で釣り上げた天然のクロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロなどです。

釣ったマグロは新鮮なうちに神経を抜き内臓やえらなどを取り、船内のマイナス60度の巨大冷凍庫で急速冷凍して日本に持ち帰ってきます。そのカチカチに凍った冷凍マグロをクレーンで港の荷役台に降ろす際、最初に目利きを行うのが白いヘルメットの水揚げ現場作業者です。ちなみに黄色いヘルメットは彼らを手伝う港湾荷役業者。

マグロは重いもので1尾200kg以上。滑ってきたマグロがうっかり足に当たると大けがをしたり骨折することもあるので、金属の先芯が入った特別製の長靴を履いて作業をします。

作業者は、マグロに付けられた手縄を外したり、エラのあたりにひっかけて動かすための手カギを持ち、形状や大きさなど、外からの判断に加えて、鮮度や脂のノリを見分けるために、小さな出刃包丁を身に刺して硬さを確かめることもします。両側に並んだ保冷トラックは、液体窒素でマイナス30度の状態。倉庫に至っては、南極と同じくらいのマイナス70度という超低温倉庫もあります。マグロは、魚種、サイズ、船名、漁場、ランクなどごとに管理され、やがて3回以上の目利きを経て市場や飲食店、スーパーマーケットに出荷されます。

日本の食文化の一翼を担っていることを常に肝に銘じ、冷凍技術と目利きを通して、多くの人に一年中おいしい天然のマグロを食べてもらうことに気概を感じています。

どうしたら水揚げ現場作業者になれるの?


高校卒業後マグロ専門商社に入社し、マグロ全般に関する知識、目利きの経験を積む必要があります。会社によっては、水揚げ作業専門の担当者がいたり、営業職など他の部門と兼任しながら水揚げ作業に携わる場合もあります。

協力/八洲水産株式会社
取材・文/鵜澤緑子