おしごとはくぶつかん

おしごとシアター«第1回»

おしごとシアター 第1回

しごとについての質問

子どもができてもずっと働きたい。好きな仕事はずっと続けたいけど、育児とどう両立するの?

(10歳 女子)

答えてくれる人
中山なかやま 治美はるみ さん
スポーツ新聞記者を経て、フリーの映画ジャーナリストに。「シネマトゥデイ」ほか、多数で連載。世界の撮影スタジオ、映画祭を取材中。
仕事と育児の両立は、常に世の女性たちの悩み

大人も子どももラクして生きようとする人が多いなか、「ずっと働きたい」とはステキな志ですね。“親の背を見て子は育つ”ということわざがありますが、お母さんをはじめ周囲に働き者の女性たちが多いのかな。

仕事と育児の両立は常に世の女性たちの大きな悩みです。昨秋も映画業界で働く女性たちの労働問題を語り合う会合がありました。映像制作の現場は不規則かつ男社会。女性が出産後、職場復帰するのは厳しいというのが実情です。多くの女性たちが「もっと働きやすい環境を!」と訴えました。

そこに疑問を投げかけたのはドイツのプロデューサーです。「日本では父親は何してるの⁉︎」。私たちはハッ!とさせられました。“育児は母親の仕事”とすり込まれて育ってきた私たちは、父親不在で議論をしていたのです。でも確かに今なら映画『ちょんまげぷりん』のように、働く女性に代わって男が家事全般を行う“主夫”となるのもアリですね。

本作の場合は、江戸時代から現代にタイムスリップした侍の安兵衛(錦戸亮)が、偶然出会ったシングルマザーのひろ子(ともさかりえ)の家に居候する代わりに主夫となることを提案します。侍なので「奥向き(家事)のことは女がするもの」という古い考えの持ち主だったのですが、ひろ子の奮闘する姿を見て考え方が少しずつ変わっていきます。もっとも安兵衛がパティシエの腕を見込まれて働きに出ると家族のバランスがちょっと崩れてしまうのですが。そうした展開を含め、本作は話題になったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」同様に夫婦の役割について語り合う場面があり、フムフムと参考になることが多い、奥の深い作品です。

一方、「子どもをメイドに預ければその問題は解決するのでは」といとも簡単に述べたのはフィリピンの女性プロデューサーです。同国では比較的、低賃金でメイドを雇うことができるというお国柄もありますが、欧米諸国でもベビーシッターにお任せするのが習慣となっています。米映画『私がクマにキレた理由』のように、お金に余裕があればナニー(乳児教育の専門家)を雇うという選択肢もあります。

ただ本作のママはN.Y.に住む超セレブで、ママ友とのお付き合いに忙しくて子どもをナニーに任せっきり。なので母子関係がギクシャクしてしまい、つい、子どもに当たってしまうようになります。そんなピンチに救いの手を差し伸べてくれたのが、スカーレット・ヨハンソン演じるナニーです。

もちろん子どもをナニーやベビーシッターに預けっぱなしは問題だけど、誰もが子どもを産んですぐにママのプロになれるわけじゃない。仕事も子育てもと孤軍奮闘しようとすると、心に余裕がなくなってしまうのは事実。その過程で力になってくれる存在が身近にいるのは心強いものです。

いずれにしても、将来はもっと、もっと、家族なり地域の人と協力して子育てができる社会になればいいですね。

  • 『ちょんまげぷりん』

    発売元:
    ジェイ・ストーム
    販売元:
    NBCユニバーサル・エンターテイメント
    価格:
    DVD 4700円(税別)

    ©2010 J Storm Inc.

  • 『私がクマにキレた理由<特別編>』

    発売元:
    ショウゲート
    販売元:
    20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン
    価格:
    DVD 1419円(税別)

    ©2014 The Weinstein Company,LLC. All Rights Reserved.

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