おしごとはくぶつかん

現在しごと中 あの人は何をしているの?«第15回»

あの人は何をしているの?

(第15回)

納棺士のうかんし

葬儀というしめやかな儀式に携わる納棺士。映画「おくりびと」で有名になったけれど、亡くなった方の体を清めて死に装束に着替えさせ、納棺の準備を整えるこの仕事は、あまり見たことがないよね。実際は、どのような作業をしているのかな。

(写真提供/日本納棺士技能協会)

亡くなった方が旅立つ身支度を施し、遺族の悲しみに寄り添う

死はこの社会において、誰にでも訪れるもの。納棺は、亡くなった方の尊厳を保ち、遺族の悲しみをやわらげるために、なくてはならない仕事です。

納棺士のほとんどは、葬儀会社や納棺専門業者に社員として所属しています。赴く現場は、自宅、葬儀場、火葬場に併設された霊安室、病院、警察署の霊安室などさまざま。身だしなみは黒スーツできちんと整え、清潔感のある姿で向かいます。

現場に到着すると、遺族にあいさつをすませ、必要不可欠なご遺体の処置をすることから始めます。

鼻腔・口腔への詰め物、保湿、身体に傷や出血があった場合は処置を施す

死に装束への着せ替え

顔そり

整髪

化粧

納棺

という流れが一般的です。納棺、お参りの準備を整えるまで1時間前後。動作のひとつひとつが遺族への癒やしとなり、亡くなった方を敬うことにつながるとの思いから、一連の所作を美しくよどみなく行います。

気を配るのは、遺族とのやりとりです。普通の話し方で納棺の説明をしても、大切な人を亡くしたショックで理解されないことも。いつも以上にゆっくりと細かく、何度も確認をとりながら話を進めるように努めています。

中でも心がけているのは、遺族の気持ちを察し、希望を言いやすい空気をつくることです。事故で損傷がひどい場合に、「生前の姿に戻してあげてほしい」といった家族の希望があれば、できる限り望んでいる姿に近づけます。

遺族と亡くなった方にとって、重要な場面に関わっていることに感謝する気持ちが大切です。

納棺士は、どんな人がやっているのかな?

専門学校の葬儀関連コースへの入学や、葬儀会社へ就職して、葬儀一連の流れとともに、「納棺士」に必要な知識や技術を学びます。特別に必要な資格や学歴はありませんが、相手の気持ちをくみとり、思いやりを持てる人が向いています。最近では、高卒、看護師、介護士で希望する人が増えています。

協力/日本納棺士技能協会
取材・文/内藤綾子

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