おしごとはくぶつかん

現在しごと中 あの人は何をしているの?«第10回»

あの人は何をしているの?

(第10回)

測量士そくりょうし

写真に写っているのは、測量士。2人で「トータルステーション」という距離と角度を正確に測れる機械を使って、河川の堤防を作るための工事現場の位置、形状、高さなどを計測しています。写真の奥にいる人が、ターゲットとなる「プリズム(目標を計測したい地点)」を設置して支え、もう1人がトータルステーションを使ってプリズムの位置を正確に計測しています。計測が終わったら目標の位置にトータルステーションを移動し、次の目標点にプリズムを設置して位置を計測する、を繰り返しながら、計測を進めて行きます。

(写真提供/株式会社トプコン)

測量の正確な結果をもとに、トンネル、ダム、ビルなどが作られるよ。

では、計測は何のために行われるのでしょうか?

工事を始める前に地面の傾斜や勾配などを正確に測量し、設計図どおりに道路や橋、トンネル、ダム、ビル等をつくれるように準備をします。工事の前の測量が不十分だと、道路や橋が真っすぐにならない、両側から掘り進んだトンネルがつながらない、ダムや建物が傾いて壊れてしまう等、さまざまな問題が発生してしまいます。

工事後にも再度測量を行い、予定通りに工事が行われたか、完成した建造物にゆがみ等の不具合がないかを確認します。そうすることで、将来の事故や破損を予防します。

また、カーナビに利用される道路の地図や、街づくりに必要な地図(都市計画図)、津波や洪水等の危険地域を示す地図(「ハザードマップ」「防災地図」)を作るためにも測量は行われます。

その他、空から飛行機で写真を撮影して地図を作ったり、土地や建物にかかる税金の金額を決める手伝いをする、「ハワイが毎年6cmずつ日本に近づいている」など、地面の正確な動きを測る、地球の自転の速さを測るといったことも測量士が行っています。
日本の測量士が、サウジアラビアとクウェートの国境を決める仕事をしたこともあります。

まさに測量は社会の基盤を支える「縁の下の力持ち」のような仕事。小さなミスにより、広い範囲に大きな影響が生じるため、日々正確・精密な測量を行うことが求められます。

測量士になるにはどうしたらいいの?

「測量士補」「測量士」の国家資格を取得する必要があります。そのためには、国家試験に合格する方法と、測量の専門学校や大学の土木・地理・地質学科等を卒業して測量士補の資格を取り、その後の実務経験で測量士の資格を取るという方法があります。

近年の測量士補試験の合格率は40%程度で、最年少合格者は14歳。測量士の合格率は10%程度です。

協力/国土交通省国土地理院
取材・文/阿部桃子
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