おしごとはくぶつかん

現在しごと中 あの人は何をしているの?«第9回»

あの人は何をしているの?

(第9回)

新幹線しんかんせん輸送指令ゆそうしれい列車れっしゃ担当たんとう当直長とうちょくちょう

ここ新幹線総合指令所は、東海道・山陽新幹線のあらゆる運行情報を管理する、まさに“新幹線の頭脳”。セキュリティーなどを考え、住所は公表されていないんだ。そんな秘密の場所で駅や列車に対して適切な指示を行うのが、輸送指令の当直長だ。

(写真提供/JR東海)

わずかな遅れも許さない。瞬時の判断と指示で新幹線の安全と運行を守る

新幹線総合指令所では、1日に、JR東海約40名、JR西日本約30名、JR九州2名の指令員が勤務しています。

輸送指令の当直長は指令員をとりまとめ、新幹線の運行管理に関する判断や指示をしています。重要なのは、安全確保と時間に正確であること。小さなできごとを含めれば、「何もない日」はありません。

1日平均367本、年間約13万本を運行する東海道新幹線で、1時間に最大14本走らせる緻密なダイヤは、15秒単位で予定が組まれています。その中で1列車あたりの平均遅延時間は自然災害などによる遅延も含めてわずか0.4分(2016年度実績)です。

たとえば、時刻表に「10:30発」と記されている列車の場合、乗務員用の時刻表では「10:30:15(秒)」「10:30:30(秒)」などといった具合に15秒単位で記載されています。少しでも遅延が発生すると、新幹線総合指令所に警報が出され、指令員の指示のもと、乗務員、各駅が全力で回復にあたります。

新幹線の遅延は、乗客が乗り降りするときに多く発生します。乗客の荷物がはさまれたときは、安全が確認できるまで発車させないように無線で駅や運転士に一斉指示。運転再開まで細心の注意を払います。

走行中の新幹線車内で急病人が出たときは、すぐに病院へ行くことができるように、停車駅以外の駅で臨時に停車するか判断し、運転士など関係箇所に連絡します。

そして新幹線の大敵は、自然災害です。春は強風、夏は豪雨、秋は台風、冬は大雪と、1年を通じてやってくる自然の猛威は、時にダイヤに大幅な影響を与えることもあります。特に強風は何が飛んでくるかわからないため、緊張の糸が張り詰めます。大幅な遅延や運休が出た際には、その場で新しいダイヤを手描きで作成する社員もいます。

少しでも早く正常ダイヤに戻すための冷静な判断力と瞬発力が求められます。

新幹線輸送指令の当直長は、どんな人がなれるの?

まず、駅員、車掌、運転士の職場で選ばれた人が輸送指令の指令員になれます。そして、指令員を経験した社員のなかで、知識・技能に優れた人が当直長になります。指令の仕事は正確性が求められるので、いい加減な人は向いていません。

協力/JR東海
取材・文/内藤綾子

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