おしごとはくぶつかん

プリンス堀潤ほりじゅんのそもそもキーワード«2016年2月号より»

オリンピック・パラリンピック

今年(こ とし)(なつ)はブラジル・リオデジャネイロを舞台(ぶ たい)に、オリンピックとパラリンピックが(ひら)かれます。(つぎ)夏季(か き)大会(たい かい)は2020(ねん)東京(とう きょう)。みなさんも(なま)観戦(かんせん)できるかもしれません。(いま)から(たの)しみですね!
 オリンピックとは、(いま)から2千年以上前(せん ねん い じょう まえ)に、古代(こ だい)ギリシャで(かみ)(ささ)げる祭典(さいてん)として(ひら)かれていた競技会(きょう ぎ かい)を、19世紀末(せい き すえ)復活(ふっかつ)させたものです。国家(こっ か)人種(じんしゅ)(ちが)いを()え、スポーツを(とお)して多様性(た よう せい)性質(せい しつ)(こと)なるものが存在(そん ざい)すること)を(みと)()う」という(たか)理念(り ねん)(かか)げて(はじ)まったのですが、(だい)次世界大戦(じ せ かい たい せん)()に「戦争(せんそう)世紀(せい き)」に突入(とつ にゅう)すると、(くに)威力(い りょく)をアピールする「国威発揚(こく い はつ よう)(※)」に使(つか)われていくようになります。
 その(なが)れは(いま)につながり、2008(ねん)中国(ちゅう ごく)北京(ペキン)大会(たい かい)では(やく)兆円(ちょう えん)、14(ねん)のロシア・ソチ大会(たいかい)冬季(とう き))では(やく)兆円(ちょう えん)という巨額(きょがく)費用(ひ よう)がかけられました。20(ねん)東京(とう きょう)でも(やく)兆円(ちょう えん)との試算(し さん)()ています。本来(ほん らい)理念(り ねん)から(はな)れ、規模(きぼ)(おお)きくなりすぎているのが、現在(げんざい)のオリンピックの課題(か だい)です。
※1936(ねん)にナチス・ドイツのもとで(おこな)われたベルリン大会(たい かい)では、(やく)10(まん)(にん)観客(かん きゃく)収容(しゅう よう)する巨大(きょだい)石造(いしづく)りのスタジアムが建設(けんせつ)され、(はつ)の「聖火(せい か)リレー」を導入(どう にゅう)荘厳(そう ごん)さを演出(えん しゅつ)して、ナチスの(ちから)世界(せ かい)()せつけた。
 一方(いっぽう)パラリンピックは、障害(しょう がい)のある選手(せんしゅ)たちの大会(たいかい)です。(だい)次世界大戦(じ せ かい たい せん)(きず)()った兵士(へい し)たちのリハビリとして(はじ)まったのが起源(き げん)とされています。
 オリンピックに(くら)べると、パラリンピックの報道(ほうどう)はまだまだ(すく)ないですよね。ぼくは以前(い ぜん)、スキーのアルペン競技(きょう ぎ)で、(ふゆ)雪山(ゆきやま)片足(かた あし)(いっ)(ぽん)時速(じ そく)100㎞を()える(はや)さで(すべ)()りる選手(せんしゅ)()以来(い らい)、すっかりパラリンピックに(こころ)(うば)われています。その選手(せんしゅ)は「(ほり)さん、(おれ)たちすごいでしょ?」と冗談(じょう だん)のように(わら)っていましたが、ぼくにはとうていまねできない、すごみを(かん)じました。 
 (くるま)いすのラグビーやバスケットボールは格闘技(かく とう ぎ)のような迫力(はく りょく)ですし、視覚障害(し かく しょう がい)選手(せんしゅ)による「ブラインドサッカー」での、(はや)いパス(まわ)しや(せい)(かく)なシュート、まるで()えているかのような(うご)きはまさに神業(かみわざ)(おどろ)きの連続(れんぞく)です。
 こうしたパラリンピックの魅力(み りょく)(すこ)しずつ(つた)わり(はじ)め、12(ねん)のイギリス・ロンドン大会(たいかい)では、北京(ペキン)大会(たい かい)(やく)180万枚(まん まい)(おお)きく()える(やく)270万枚(まん まい)のチケットが()れました。(いま)義手(ぎ しゅ)義足(ぎ そく)などがかなり発達(はっ たつ)し、(ちか)将来(しょう らい)、オリンピックの記録(き ろく)()える競技(きょう ぎ)()てくるかもしれません。
 もっと(おお)くの(ひと)たちに、障害(しょう がい)のあるアスリートたちの神業(かみわざ)数々(かずかず)()てほしい。そんな(おも)いでいっぱいです。
200を()える(くに)地域(ち いき)から1万人以上(まん にん い じょう)選手(せんしゅ)たちが参加(さん か)するオリンピックと、160以上(い じょう)(くに)地域(ち いき)から(やく)千人(せんにん)選手(せんしゅ)たちが集結(しゅう けつ)するパラリンピック。毎回(まいかい)のように世界記録(せ かい き ろく)誕生(たん じょう)し、障害(しょう がい)のあるなしにかかわらず、人類(じんるい)肉体(にくたい)進化(しん か)()のあたりにさせられます。(こころ)(からだ)限界(げんかい)まで挑戦(ちょう せん)(つづ)けるアスリートたちの姿(すがた)に、(なみだ)がこみあげるほどの感動(かんどう)(あじ)わえるのも、大会(たいかい)醍醐味(だい ご み)ですよね。
太平洋戦争(たい へい よう せん そう)()けて()野原(の はら)になった東京(とう きょう)ですが、1964(ねん)のオリンピックでは、新幹線(しん かん せん)開業(かい ぎょう)高速道路(こう そく どう ろ)拡張(かく ちょう)、カラーテレビでの世界中継(せ かい ちゅう けい)、コンピューターを使(つか)った競技記録(きょう ぎ き ろく)など、日本(に ほん)(たか)技術力(ぎ じゅつ りょく)国際社会(こく さい しゃ かい)への復帰(ふっ き)印象(いん しょう)づけました。
2020(ねん)東京大会(とう きょう たい かい)()()すメッセージは、オリンピックとパラリンピックの(みぞ)()める、「多様性(た よう せい)」に()んだものになればと(つよ)(ねが)っています
  • 今年(こ とし)はブラジル・リオデジャネイロで、夏季(かき)オリンピックが開催(かいさい)される
  • 本来(ほん らい)のオリンピックの理念(り ねん)は、「国家(こっ か)人種(じん しゅ)(ちが)いを()え、スポーツを(とお)して多様性(た よう せい)(みと)()う」こと
  • 義手(ぎ しゅ)義足(ぎ そく)などが発達(はっ たつ)し、オリンピックの記録(き ろく)(せま)るパラリンピックが(あつ)い!
堀潤ほりじゅん プロフィル
1977ねん兵庫県ひょうごけんまれ。ジャーナリスト、市民投稿型しみんとうこうがたニュースサイト「8bitエイトビットNewsニュース代表だいひょう。「モーニングCROSSクロス(TOKYO MXトーキョーエムエックス)」「JAM THE WORLDジャムザワールド(J-WAVEジェイウェーブ)」など、テレビやラジオの出演多数しゅつえんたすう

イラスト いのうえしんぢ

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