おしごとはくぶつかん

プリンス堀潤ほりじゅんのそもそもキーワード«2015年10月号より»

18(さい)()(じょう)選挙権(せんきょけん)後編(こうへん)

先月号(せんげつごう)(つづ)いて、18歳以上(さい い じょう)()()げられた選挙権(せんきょけん)について、もう(すこ)しくわしくお(はなし)をしていきます。とても大切(たいせつ)なテーマだからです。みなさんは、数年後(すう ねん ご)選挙権(せんきょけん)(あた)えられたとき、自信(じ しん)()って政治家(せい じ か)(えら)ぶことができると(おも)いますか?
(せん)(きょ)でいったん国会議員(こっ かい ぎ いん)(えら)んだら「しまった、失敗(しっぱい)だったかもしれない」と(おも)っても、(あと)(まつ)り。政治家(せい じ か)暴走(ぼうそう)しはじめても、(つぎ)選挙(せんきょ)までは、国民(こく みん)見守(み まも)ることしかできません。憲法(けんぽう)は、権力者(けん りょく しゃ)暴走(ぼうそう)しないよう、(くに)(しば)るために(さだ)められたものですが、その憲法(けんぽう)ですら、政治家(せい じ か)たちが解釈(かい しゃく)()えることによって、(いま)まで(きん)じられていたことを(みと)めてしまおうという(うご)きが(すす)んでいる状況(じょう きょう)です。ですから有権者(ゆうけんしゃ)責任(せきにん)というのはとても(おも)たいのです。
 2018(ねん)からは憲法改正(けんぽうかいせい)のための国民投票(こく みん とう ひょう)に、18歳以上(さい い じょう)国民(こくみん)参加(さん か)できるように法律(ほうりつ)(あらた)められました。(しょう)中学生(ちゅう がく せい)のみなさんも、あと数年(すうねん)(くに)骨格(こっかく)(ささ)える憲法(けんぽう)について投票(とう ひょう)でき、(くに)法律(ほうりつ)をつくる政治家(せい じ か)たちも(えら)ぶことになります。
(たい)(せつ)なのは「18(さい)までにどれだけ社会(しゃかい)について(かんが)える訓練(くんれん)ができているか」です。いま、選挙権(せんきょけん)()っている大人(おとな)たちの(おお)くが、()どものころに、政治(せい じ)について(まな)機会(き かい)十分(じゅう ぶん)()ていたとは(おも)えません。また、学校(がっこう)授業(じゅ ぎょう)で「自民党(じ みん とう)(かか)げる政策(せいさく)はこうだ」「憲法改正(けんぽうかいせい)をするべきか徹底討論(てっていとうろん)しよう」という()()んだ(はなし)まではなかなかできません。どの政党(せい とう)にどんな特色(とく しょく)があるかなどを授業(じゅ ぎょう)(あつか)うには、(おし)えるほうも力量(りき りょう)()われます。
 ではこれからは(だれ)が、どのように、()どもに政治(せい じ)社会問題(しゃ かい もん だい)(おし)えるのか。18歳選挙権(さい せん きょ けん)課題(か だい)はここにあります。  (じつ)は、ぼくには(わす)れられない“選挙(せんきょ)”が(ふた)つあります。その事例(じ れい)をみなさんと共有(きょう ゆう)したいと(おも)います。(ひと)つは、自分(じ ぶん)(かよ)っていた中学校(ちゅう がっ こう)で「学校制服(がっこうせいふく)撤廃(てっぱい)するか、しないか」を()める投票(とう ひょう)をした経験(けいけん)。もう(ひと)つは、取材者(しゅざいしゃ)として(かか)わった12(ねん)のアメリカの大統領選挙(だい とう りょう せん きょ)です((した)()てね)。
()由服化(ゆう ふく か)のときも大統領選挙(だい とう りょう せん きょ)のときも、一票(いっ ぴょう)()一人(ひとり)ひとりが自分(じ ぶん)たちの未来(み らい)選択(せんたく)するために、(かんが)え、行動(こうどう)していました。(だれ)かが(おし)える、(かんが)えてくれるわけではないんです。ぼくはみなさんの世代(せ だい)にとても期待(き たい)をしています。10(だい)(ちから)で、大人(おとな)たちが見落(みお)としたり、あいまいにしたりしているさまざまな問題点(もんだいてん)をどんどん指摘(し てき)して、改善(かいぜん)していってほしいなと(おも)います。一緒(いっ しょ)(かんが)えていきましょう。「ジュニアエラ」を()んでいるみなさんには、その(ちから)があると(しん)じています。
(はじ)めての「(きよ)一票(いっぴょう)」の(おも)()
 ぼくが(かよ)った横浜市立岩崎中学校(よこ はま し りつ いわ さき ちゅう がっ こう)は、(くに)政治(せい じ)(ちか)いしくみを()っていました。学校生活(がっこうせいかつ)有意義(ゆう い ぎ)にするため、アイデアを()実行(じっこう)する「生徒会(せい と かい)」、そのアイデアを議論(ぎ ろん)採決(さいけつ)する「評議会(ひょう ぎ かい)」、生徒(せい と)たちの自治(じち)をチェックする「職員室(しょく いん しつ)」。まるで三権(さんけん)分立(ぶんりつ)内閣(ないかく)国会(こっかい)裁判所(さい ばん しょ))が存在(そんざい)するような学校(がっこう)でした。  ぼくは14(さい)のとき、評議会(ひょう ぎ かい)議長(ぎ ちょう)をしていました。生徒会(せい と かい)(ちょう)から制服撤廃(せいふくてっぱい)提案(ていあん)があり、生徒(せい と)投票(とう ひょう)()めることに。 みんなで討論会(とうろんかい)(ひら)いたり、自由服(じ ゆう ふく)のメリット、デメリットを調(しら)べたり、(おや)へのアンケートも(おこな)いました。結果(けっ か)賛成多数(さん せい た すう)で、ぼくらは毎日好(まい にち す)きな(ふく)()登校(とうこう)できるようになりました。
自分(じ ぶん)たちが()めたんだ」という 経験(けいけん)は、(なん)とも()えない達成感(たっせいかん)自由服(じ ゆう ふく)文化(ぶん か)次世代(じ せ だい)につなげる 精神(せいしん)芽生(めば)えました。それ以来(い らい)(いま)岩崎中学校(いわ さき ちゅう がっ こう)自由服(じ ゆう ふく)です。
(つよ)熱意(ねつい)(かん)じたアメリカ大統領選挙(だいとうりょうせんきょ)
 18歳以上(さい い じょう)選挙権(せん きょ けん)(あた)えられているアメリカで、4(ねん)に1()(おこな)われる大統領(だい とう りょう)選挙(せんきょ)は、まるでお(まつ)りのよう。ぼくは2012(ねん)取材(しゅざい)でこの選挙(せんきょ)(かか)わりました。  感心(かんしん)したのは10(だい)有権者(ゆうけんしゃ)たちが(まち)(なか)討論会(とうろんかい)(ひら)いたり、支持(しじ)する候補者(こう ほ しゃ)への投票(とうひょう)()びかけたりと、参加意識(さん か い しき)がとても(たか)かったことです。(とく)に、アメリカでは経済的(けいざいてき)格差(かく さ)(ひろ)がっていて、大学(だいがく)(かよ)えない若者(わかもの)たちが「(かたよ)った経済(けいざい)のしくみを()えてほしい」という(こえ)候補者(こう ほ しゃ)たちに(とど)けようと懸命(けんめい)でした。
(だれ)が、この(くに)をよい方向(ほうこう)(みちび)くのか。 それは選挙(せんきょ)参加(さん か)する権利(けん り)()った (わたし)たち一人(ひとり)ひとりだ」。そんな(つよ)決意(けつ い)(かん)じた選挙(せんきょ)でした。
  • 政治家(せい じ か)暴走(ぼうそう)は、投票(とうひょう)した(あるいはしなかった)有権者(ゆうけんしゃ)責任(せきにん)でもある
  • 2018(ねん)から、憲法改正(けんぽうかいせい)のための国民(こくみん)投票(とう ひょう)に、18歳以上(さい い じょう)国民(こくみん)参加(さん か)できる
  • 一票(いっ ぴょう)()一人(ひとり)ひとりが自分(じ ぶん)たちの()(らい)のために(かんが)え、行動(こうどう)することが大切(たいせつ)
堀潤ほりじゅん プロフィル
1977ねん兵庫県ひょうごけんまれ。ジャーナリスト、市民投稿型しみんとうこうがたニュースサイト「8bitエイトビットNewsニュース代表だいひょう。「モーニングCROSSクロス(TOKYO MXトーキョーエムエックス)」「JAM THE WORLDジャムザワールド(J-WAVEジェイウェーブ)」など、テレビやラジオの出演多数しゅつえんたすう

イラスト いのうえしんぢ

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