街の地下にたくさんはりめぐらされていて、私たちの毎日の暮らしを支えているコンクリート製品はなんでしょう? 日本ヒュームに聞きました。
- コンクリートを扱う仕事
- 下水道などに関する仕事
- 災害対策の仕事
たくさんのヒューム管(コンクリートの管)が、下水道や光ケーブルなどを通して、街を支えているよ。
街の地下で「ヒューム管」が大活躍!
コンクリートでつくられた円筒形の管を「ヒューム管」といいます。ヒューム管は下水道管や上水道管として使ったり、高圧電線や通信用の光ケーブルを通したりなど、街の地下で大活躍しています。ヒューム管はとても硬くて頑丈で、災害時に壊れない工夫もされているので、地震が多い日本でも安心して使えます。
▲工場に並ぶヒューム管
▲人と比べるとサイズがわかる。大きい!
▼私たちが使う水は上水道を通って届き、トイレなど生活で使われた水は、下水道を通って下水処理場に届く。それはヒューム管のおかげ。ゲリラ豪雨などの時、川があふれないように、雨水を地下でためたりすることもできるんだ!
ヒューム管は「遠心力」を利用してつくられる!
ヒューム管をきれいな円筒形につくるひみつは「遠心力」です。遠心力は円の中心から外側へと向かって働く力です。型枠にコンクリートを流し込んでぐるぐると回転させると、遠心力によってヒューム管はきれいな丸い管に整います。
鉄のワイヤで管の骨組みを組む
型枠に入れてボルトで固定する
そこにコンクリートを流し込み回転させて形を整える
蒸して固めた後、型枠を外して、養生して、検査などをして出荷
安定した品質を保つため、工場でつくられているんじゃ!
コンクリートは固まり続ける!
コンクリートは、セメントに水と砂と砂利をまぜ合わせてつくります。セメントは水と化学反応して固まります。これを水和反応といいますが、コンクリートの水和反応は70~80年間続くといわれています。
どうやって地下にヒューム管を通すの?
開けた場所なら、地面を掘ってヒューム管を並べて埋めることができます。しかし、都市では建物や道路などがたくさんあるため、普通の工事はできません。まず立坑を掘り、そこにヒューム管を下ろし、ピストンで次々に横へと押し込んでいくのです。
およそ100年前からヒューム管は街を支えています!
日本ヒューム株式会社 代表取締役社長 増渕智之さん
ヒューム管って聞いたことがありますか? 実はこれ、とっても大切なパイプの名前なのです。その名前の由来は、最初に発明した人の名前からきています。
100年も前に、日本がもっときれいで衛生的な場所になるようにと生産が始まりました。最近では「e-CON®(イーコン)」という、100年以上も持つ、環境にやさしい特別なコンクリートが開発されてヒューム管に用いられています。ヒューム管は地上では見えないけれど、地下からずっと私たちの街を支えてくれている、まさに隠れたヒーローなのです!
▲日本最古のヒューム管の記念碑
ヒューム管は雨水貯留管として災害対策にも役立ちます。