日本はどんなものを世界から買っているの?

おしごと年鑑 社会の土台を支えるお仕事 2019年度
一般社団法人 日本貿易会

「ミネラルウォーターから通信衛星まで」といわれるように、商社が貿易で取り扱うモノはさまざまな分野にわたっています。海外で、日本向けの独自商品を開発して、日本に輸入することもあります。

さまざまな仕掛けで、お客さんが一番欲しいと思う商品を調達するよ。

商社の仕事の基本は、安くて質の良いモノを世界中から調達すること。最近はインターネットで個人が直接海外からモノを買う個人貿易も増えていますが、お客さんが「本当に欲しいモノ」を見つけて手に入れるのは、大変です。商社は、お客さんが必要とするモノを、安全に、確実に手に入れられるよう、さまざまな仕掛けをしています。

仕入れ

仕入れ

大豆って、豆腐や味噌、醤油の原料になるよね。毎日朝昼晩の食事のどこかで、必ず口にしている気がするよ。

hinata
商社

うん。でも、その原料の大豆も実は70%以上を輸入に頼っているんだ。しかも、日本で必要な種類の大豆を手に入れるのは、結構大変なんだよ。

えっ、大豆って、そんなに違いがあるの?

hinata

生産調達

生産調達
商社

海外の大豆は、遺伝子組み換えによって作られているものが多いんだ。日本では味噌・醤油・豆腐は遺伝子組み換えでない大豆から作られるから、ニーズに合う大豆を探してこないといけないんだよ。

じゃあ、見つからなかったら、どうなっちゃうの?

hinata
商社

そういう場合は、手に入れるための仕掛けをするんだ。海外の農業生産者に資金援助や技術提供をして、日本に必要な農産品を作ってもらう。時には海外に農場や加工工場をつくるのも、商社の仕事だよ。

※遺伝子組換え作物=生物の細胞から役に立つ性質をもつ遺伝子を取り出し、植物などの細胞の遺伝子に組み込んで、新しい性質をもたせた作物のこと

流通経路の整備

流通経路の整備
商社

輸送も大切な商社の仕事だね。遺伝子組み換えした大豆と混ざってしまったら困るから、物流の管理も徹底するよ。専用の設備(選別・包装用)を作ることもあるんだ。

販売

販売
hinata

普段何げなく口にしている食べ物も、商社の人ががんばって調達してくれているんだね。僕らの生活は、商社のお仕事に支えられているんだ!

日本に食料が届くまで

商社は、日本にさまざまな食料を輸入しています。でも、ただ品物を買い付けて、持ってくるだけではありません。生産国で農場を経営することもあるし、工場で加工を行うこともあります。それぞれの工程を確認することによって、有害な農薬が使われるリスクを回避するなど、安全な商品を安定的に輸入できるようになります。さらに運び方、日本での売り方も自分たちで手配するなど、生産からお客さんの元へ商品が届くまで関わります。

生産調達

農場経営、養殖事業

生産調達

一次・二次加工

製粉、製糖など

一次・二次加工

流通経路の整備

輸出の方法の整備

流通経路の整備

販売

日本での商品化

販売

商売の基本は、近江商人が考えた「三方よし」です。

答えてくれた人

日本貿易会 広報・CSRグループ 椎名彩衣さん

中世から近代にかけて活躍した近江(現在の滋賀県)出身の商人を、「近江商人」と呼びます。彼らには、「売る人」も、「買う人」も、そして「世間」(社会)にとっても、「よし」となる商売が理想だという考え方がありました。これを「三方よし」といいます。例えば日本では作れないおいしいフルーツを、海外から安く仕入れることができたら、日本で買う人はうれしいですよね。売る方も、安くはしても、ちゃんともうけがでる形でより多く売ることができれば、商売は成功です。さらに、現地に農場や工場をつくることで、そこに住む人々の働く場所ができれば、社会的にも意義のあることです。商社パーソンはこの「三方よし」の考え方に基づき、世界中で活躍しています。

売る人も、買う人も、社会的にも、みんな幸せになるために、商社は働いています。