生協は、ふつうのお店と何が違うの?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2019年度
パルシステム生活協同組合連合会

みんなは食べ物や日用品を買うとき、どこで買っているかな? いつも行っているお店も、実は「生協」かもしれないね。ふつうのお店と生協の違いを、パルシステムに教えてもらいました。

生協は「生活協同組合」の略称。食べる人・買う人(消費者)自身が、「よりよい生活」を目指して活動している組織だよ。

会社など、世の中の多くの事業活動は、「元手となるお金を出す人(出資)」「商品やサービスを買う人(利用)」「経営する人(運営)」がそれぞれ違う人なのがふつうです。生協の活動もこの三つで成り立っていますが、ふつうのお店と違うのは、「出資」「利用」「運営」の三つを行うのがすべて、生協に加入した消費者自身だということです。生協では、出資した人のことを「組合員」と呼びます。

こんせんくん

パルシステムのブランドキャラクター「こんせんくん」

「出資」「利用」「運営」

商品が組合員に届くまで

(パルシステムの宅配サービスの場合)

1商品企画・開発

商品企画・開発

組合員の意見や要望を聞いて、新しい商品を開発したり、どの商品をカタログに載せるか検討したりします。

矢印

2収穫・製造

収穫・製造

産地で野菜を収穫したり、工場で商品を製造したりします。農家と一緒に農薬をなるべく使わない野菜づくりをしたり、食品メーカーと一緒に健康に影響のある添加物などを使わない商品をつくったりしています。

トラック
矢印

3検品・小分け、箱詰め

 検品・小分け、箱詰め

セットセンターで商品に問題がないか確認後、組合員別の箱に入れます。

それぞれの温度帯に適した梱包でお届けします。

冷蔵品

冷蔵品

冷凍品

冷凍品

産直青果

産直青果

常温品

常温品
矢印

4地域の配送センターへ

地域の配送センターへ

セットセンターから、地域の配送センターに納品

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5配達

配達

忙しかったり、お店が遠かったり、体が不自由だったりしてお店に行きにくい人も、宅配なら便利ですよ。

トラックで組合員宅にお届け。

日常的な業務は生協で働く職員が担当しています。生協は組合員みんなの組織なので、新しい商品の選定や取り組みの方向性なども組合員と一緒に決めています。

つくる人も、食べる人も、社会も豊かになる商品とは?

パルシステムでは、買う人・食べる人(消費者)が「おいしい」「買いやすい」と思えるだけでなく、つくる人もきちんと利益を得られ、さらに、自然や環境、社会の問題解決にも貢献する商品づくりを目指しています。

ぼくらの生活は、自然環境と密接につながっているんだね!

ヒナタ
までっこ鶏

光と風が入る鶏舎で、健康的な飼育

までっこ鶏

「までに」は、岩手弁で「ていねいに」という意味。「までっこ鶏」は、手間ひまをかけてていねいに育てられた鶏。光と風が入るよう設計された明るい鶏舎で、抗生物質や合成抗菌剤をエサに使わず、育てられています。パルシステムの「自然や生き物の本来の姿を尊重する」という理念を表した鶏です。

鶏ふんを利用して発電もするよ。

までっこ鶏
注目キーワードバイオマス発電

「バイオ」とは、「生物」という意味。バイオマス発電は、間伐した木材や残飯、家畜のふんなど、生物資源を原料として発電すること。使ったらなくなってしまう石油や石炭などの化石燃料とは違い、生物がいる限りいくらでも作られるので、再生可能エネルギーとして注目されているよ。までっこ鶏も、ふんを利用してバイオマス発電をしています。までっこ鶏の鶏ふんでつくられた電気は、パルシステムの組合員が利用しています。

うんちだって、貴重な資源なんだ。

までっこ鶏
エコ・バナナ

作る人も食べる人もうれしいエシカルなバナナ

エコ・バナナ

バナナの生産に使う一部の農薬は、現地の人の健康被害を引き起こすこともあり、また、私たち食べる側に有害な場合もあります。エコ・バナナは化学合成農薬を使わず手間をかけて育てられ、収穫後の防カビ剤・防腐剤なども使わないバナナ。消費者と、農家の人々の願いを実現するために、民間で直接取引されるバナナです。

エコ・バナナ

農薬を使わないと手間はかかるけれど、作る側にも食べる側にも、安全なんだよ。

エコ・バナナ
注目キーワードフェアトレード

「フェアトレード(fair trade)」とは、「公平な貿易」という意味。発展途上国で生産された作物や製品を購入する際に、価格や労働条件、生産環境などで発展途上国側が不利にならないよう、公平を心がけて取引するというもので、生産者の生活水準や自然を守る取り組みです。パルシステムのエコ・バナナも、フェアトレードの取り組みの一つです。

エコ・バナナは形にばらつきがあり、傷も多いけれど、安全でおいしいと好評だよ。

エコ・バナナ

生産者と組合員をつなぐ仕事です

答えてくれた人

パルシステム生活協同組合連合会
産直部産直開発課 倉崎友花さん

パルシステムは、首都圏を中心とした1都11県で食品を中心とした商品を組合員にお届けしている生活協同組合です。「パルシステム」という名前は、英語の「pal(友達、仲間)」と「system(制度、体系)」を組み合わせた造語で、「個人の参加が大きな協同を作り出す」という意味が込められています。私は生産者が大切に育ててくれた農産物を、より多くの組合員に利用してもらえるよう、商品開発やカタログの構成を考え、生産者と組合員をつなぐ仕事をしています。自分が開発した商品や大好きでおすすめした商品を、組合員が「おいしい」と言ってくれた時や、その「声」を生産者に届けて喜んでもらえた時にやりがいを感じています。

SDGsの取り組みにも力を入れていますよ!

答えてくれた人