しごとについての質問
「医療関係に興味があります。医師や看護師以外にどんな医療従事者がいるの?」(15歳・女子)
児玉ひろ美(こだま ひろみ)さん
*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団
医療品研究者、再生医療研究者など、さまざまな方々が活躍しています
『キャリア教育に活きる! 仕事ファイル12 メディカルの仕事』
著者:小峰書店編集部
出版社:小峰書店
価格:3080円(税込)
新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。医療の最前線で働く方々の姿が連日のように報道され、敬意や感謝の気持ちを伝える活動も展開されています。敬意や感謝は、ご質問のように「医師や看護師」以外の「縁の下の力持ちである医療従事者」にも向けられるべきものでしょう。
そこでどんな医療従事者がいるのかを知りたいあなたにおすすめなのが、『キャリア教育に活きる! 仕事ファイル12 メディカルの仕事』です。まずは巻末にある「メディカルの仕事 関連マップ」を見てください。「救急の患者を運ぶ場合」を例にして、ある日突然患者となってしまったときの119番通報からはじまり、人々の病気やけがを治療し命をつなげるメディカル(医療)の仕事を俯瞰(ふかん)で知ることができます。まずはおおまかに、あなたがどの分野に興味を持っているのかを探り、そこから本文の具体的な内容に戻りましょう。
この本は表紙に「センパイに聞く」という吹き出しがあるように、実際に社会の中で活躍している、医療品研究者、再生医療研究者など6人の先輩たちへのインタビューがあります。どの先輩も、授業のなかでキャリア教育を受け、職場体験をしてきた方々ですので、あなたの興味や関心へのほどよいアドバイス、今あなたができることが見つかることでしょう。
このシリーズには「29 感染症の仕事」など、さらに詳しくひとつの分野を掘り下げ、行政保健師・アプリニュース編集者・PCR検査試薬研究開発の先輩を紹介した巻もあります。
医療の目的、人の命をつなぐという仕事はSDGsにもある
『持続可能な地球のためにいま、世界の子どもたちは 第3巻 健康で生きたい 保健・衛生』
著者:本木洋子
出版社:新日本出版社
価格:2750円(税込)
仕事を考えるということは、社会で何が必要とされているかを考えることです。『持続可能な地球のために ――いま、世界の子どもたちは 第3巻 健康で生きたい 保健・衛生』の著者の本木さんによると、世界では飢えで命を落とす人が1分間に17人。5歳未満の幼い子どもが5秒に1人の割合で亡くなっていて、毎日1600人以上の子どもが不衛生な水による病気で命を落としているそうです。医療の目的が人の命をつなぐことにあるのなら、ここにも、その仕事があるとは考えられませんか?
本書にはSDGs(持続可能な開発目標)に掲げられた「すべての人に健康と福祉を」「安全な水とトイレを世界中に」について、私たちに何ができるか?を考えるきっかけとなる世界の現状やデータ、問題点が図表になっています。「命をささえる水」「栄養は人の権利」「がんばるお医者さんたち―国境なき医師団」「命のパスポートは母子手帳」など14のテーマでまとめられています。
「母子手帳」の項では、日本の母子手帳が世界のおよそ40の国々に広がっていることも紹介されています。ぜひ、ご自分の母子手帳をめくって、命をつなげる医療従事者へも思いをはせてみてはいかがでしょう?