夜のショーウィンドーを見つめてるあのひと、何してる?

2019.10.29 あのひと何してる?

スペースデザイナー

街の中で、季節やイベントに合わせて彩られるショーウィンドーに、目を奪われたことはないかな? 魅力的なディスプレーを作っているのがスペースデザイナーだ。写真は、新宿高島屋で「オータムフェスティバル」のディスプレーをする作業風景。限られた空間で伝えたい世界観を作るアイデアは、どうやって生まれるのだろう。(写真提供/株式会社 エー・ティ・エー)

内装、照明、マネキン装飾など、空間を丸ごと演出


美術館などの公共施設、飲食店やショップの店舗、ホテルやデパートなどの商業施設まで、イベントブースやディスプレーウィンドーといったさまざまな空間を、内装や照明など丸ごとデザインするのがスペースデザイナーの仕事です。

 

デパートのショーウィンドーの場合、お中元、バレンタインなど、季節のイベントごとにディスプレーを変えるので、約2〜3週間に1度のタイミングで入れ替えを行っています。

 

クリスマスのディスプレーでは、6月から企画を進行。クライアントと、テーマやどんなデザインにするかを話し合い、オーナメント、ツリーなどを全国や海外からも取り寄せます。動画を撮る場合はコンテ(撮影台本)を描き、マネキンを使うときはメイクやヘアスタイルを考えるといった準備も行い、スペースデザイン以外にも幅広い業務に関わっています。

 

現場では、見た人がワクワクできる仕掛けを用意することも。ボタンを押すと、雪がハラハラと舞ったり、トリックアートで、飛び出す絵本に入ったような不思議な体験をしてもらうなど、お客さま参加型のディスプレーで「つい立ち止まって見てしまう」アイデアも実現します。

 

スペースデザイナーに大切なのは、普段の生活で、「見る」「聞く」「触れる」を体験して五感を磨くこと。他の商業施設や展示を見る、デザイン関連書籍を読むなどしてデザインパターンを研究する努力も忘れません。五感で「面白い」と思ったことをストックしておき、たくさんのアイデアのタネを持つことで,イメージを形に変えていけるのです。

どうしたらスペースデザイナーになれるの?


住宅や店舗のデザインを請け負うデザイン会社や内装施工会社、建築事務所、広告代理店などに就職するのが一般的です。美術大学や専門学校で、美的センスや色彩感覚、インテリアや内装などの知識を深めておくと有利。

協力/協力/株式会社 エー・ティ・エー

取材・文/内藤綾子