大空に命綱なしで飛び出すあのひと、何してる?

2019.08.29 あのひと何してる?

スカイダイビングのインストラクター

埼玉県桶川市、ホンダエアポートの上空。1万2500フィート(3810メートル)からジャンプして眼下に広がる風景は壮大だね。パラシュートが開くまでが40~50秒、開いてから地上までが約3~4分。体全体で空を堪能する体験者の横に付き添い、リードしてくれるインストラクターは、体験者にとって命綱であり心強い存在だ。(写真提供/東京スカイダイビングクラブ)

空の安全な楽しみ方を指導し、「空を飛ぶ」夢をサポート


スカイダイビングのインストラクターは、専門知識を持ち、空での安全な楽しみ方や専門技術を身につけています。それらを生かして、スカイダイビングを体験したい人や、ひとりで飛べるライセンスを取得したい人を指導することが仕事です。

空からダイビングするためには、スカイダイビング専用機で20分ほど上空へ飛ぶ必要があります。そのため、飛行機の手配、スカイダイビング降下場の申請、ほかの飛行機との空域調整などのデスクワークも行います。

気が遠くなるほど高い空の上が仕事現場なので、安全への配慮が欠かせません。パラシュートは必ず2個装備し、1個に不具合があった場合に備えます。 装備は毎回事前点検を欠かさず、予備パラシュートは180日に一度整備点検が必須。さらに、万が一のとき本人の手でパラシュートが開けなくても、一定の高度がくると自動的に開くパラシュートも採用して、二重三重の安全装備をしています。

体験スカイダイビングでは、タンデム(二人乗り)の装備で、体験者と一緒に空を飛びます。体験者が緊張していると、空中で体が硬くなって眼下に広がる景色を楽しむことができないので、ダイビングをする前には世間話をするなどしてリラックスできるように努めています。

自分の体ひとつで空を飛べる感覚は、スカイダイビング以外では味わえません。強烈な風を全身で操ることで、前進・後退・回転のすべてができます。体験者の「空を飛びたい」という夢をかなえる、その手伝いをすることが、この仕事の魅力です。

どうしたらスカイダイビングのインストラクターになれるの?


スカイダイビングスクールに通い、指導を受けてライセンスを取得します。3年以上のスカイダイビング歴と500回以上の降下経験といった取得条件があります。

協力/東京スカイダイビングクラブ
取材・文/内藤綾子